シードにおける不確実性の許容度

最近他のアーリーのファンド含めてシードから投資をしていくファンドが増えているように思えるのだけど、起業家からも投資家からも”シード”の定義が曖昧だからこそ、どのくらいのフェーズ感でいったときのほうがいいのかなっていうのがわかりづらくなってきているかもしれないなと最近考えている。プレシードなどという言葉があったりするしすごいもうゆらぎまくっている。

そもそもシードVCというところがでてきたのが、おそらくこのインターネットビジネスでかつサーバー代も安くなってきたこの10−15年くらいで現れた概念なのかなと思っているが間違っていたらごめんなさい(調べておけよっていう話ではあるものの)

シードという言葉のゆらぎとVCの都合

正直まったくわからないけれども、この先しばらくは上場マーケットがまだ不安定なため、レイターの投資というのは少しこの数年間よりは少し投資の熱が下がってくる可能性があるし、今まさに感じている。しかしファンドとしてレイズしたお金というのは投資をしていく必要がある。そのためどのファンドもシード期というValuationについてまだまだCompsに左右されない段階において投資をしていくことにフォーカスしてく流れはある程度あるのじゃないかなと思う。

その結果どのファンドもアーリーからシードでも投資できます!ということが今後起きてくるが、実際にそのシードといってもどこまでの不確実性を許容することができるのかは、ファンドの哲学やファンドサイズによってある程度決まってくるのを投資側サイドにいると感じている。どのタイミングが良いとか悪いとかでなくこのあたりはファンドによって違うからこそ生態系が成り立つわけなので。。

しかし一方起業家サイドにたつとみんなシードっていうけど本当にどのあたりから投資できるの?っていうのが気になるポイントなのかなと思う。もちろん元も子もないことをいうと関係なく全員良ければどんなタイミングでも投資は行われると思う。なので基本的には直接聞くとどういうフェーズからでもやれますっていう答えが返ってくると思うしそれはそれで事実。

不確実性に対する許容度を聞く

ではどういうふうに見分けるかっていうのは、その人やファンドが過去にシードで投資をしたときの状況を聞いてみるのが一番いいと思う。どういった状況なときにどういう評価をして投資をしているのかっていうのが一番の実際のそのファンドにおけるシードの不確実性の許容度を表すと思う。なので投資検討時や進んでいるとき、一番はカジュアルに聞けるときがベストなのだけれども、上記のような質問をしてみるとより理解は深まるのではないかと思う。

そのためにSNSなどで各ファンドなどは情報発信をしているわけであるし、自分もこのブログなので特に新規投資時に投資理由を書くところはそのような意図が伝わればいいなとおもって書いている。自分がどういうタイミングでどういう仮説で投資をしているのかでどういうタイミングでもってきてほしいかを伝えているつもり

ただそうはいっても伝わらないとおもうので、今のANRIにいる自分のシード投資の不確実性の許容範囲について記載しておこうと思う(2022年12月Versionなので変更するかもしれません)

”人”と”参入市場”が変わらないことが自分の不確実性に対する許容度

自分の場合は”人”と”参入市場(参入角度)”この2つが信じれないとあんまり投資はしない。逆に市場は変わらず解き方を変更したり、ビジネスプランや事業計画などは作り方は見るけどその数字を信じて投資をすることは少ない。もちろんPMFなんて全然してなくていい。LTV>CACとかもいらない。(もちろん進捗してくれればくれるほど嬉しいですよ、あくまでどこまで許容できるかという話です)

逆に弱点というか欠点としては”人”だけが良くても参入する市場についてあんまり納得できない場合は投資を見送ってしまう場合がある。これは自分でもまだまだ投資判断として磨きところではあるなとは思うが現状はそのように捉えている。(といってたまーに人だけ投資!ってのはありますという言い訳をしておきます。市場全く見ないけどこの人ならいけるってやつ、ただこれは正直あるんですよね・・)

どこまでの不確実性を許容するのかっていうのは永遠の課題だし、このメンタルモデルをもつシードをやっていくことと、アーリーやレイターはだいぶ違うしどちらかが良いというわけでもないので。多分自分もシードの人格・メンタルモデルと、アーリー以降の人格・メンタルモデルは異なると思うので、そのあたりの調整を今後もずっとやっていくのだろうなと覚悟している