(The concept of)Software is eating the (Offline) world
自分の最近の投資テーマとしては、垂直的に産業を立ち上げる投資・オンラインの思想でオフラインのビジネスの革新を図るっていうものをぼんやりとかんがえている。例えば、最近Twitterで下記みたいな発言をしているんだけど、このあたりの投資可能対象としているところに関しての自分の考えを整理するためにも、まとめておこうと思う(といいつつ、散文的になっちゃった・・すみません)
結論からいうと、スマートフォンの普及が完了した社会(インターネットへアクセスの障壁が低くなった)ことやデータ取得のためのIOTプロダクトのコストが低下したこにより、Software的な概念でリアルなアセットが再定義/再編集されていくことが起きるのではないかと思っている。アンドリーセンがいったような Software is eating the worldはある程度浸透してしまっていて、現状SaaSというプロダクトがパクパク食べているかもしれないが、今後はソフトウェア的な思考・概念がすべての現実の世界を食べにいっちゃうのではないか、The cocept of software is eating the offline worldって感じのことをぼんやりと考えている。
オフラインアセットの再定義/再編集をどうすすめていくかGAFA以降の Uber/lyft・Airbnb・Wework などの企業は単純なるソフトウェア企業ではない。スマートフォンという実生活におけるリモコンのようなもの(インターネットへのアクセスの障壁を限りなく低くしたもの)によって、既存のアセットの意味を再定義/再編集してきたものが、大きくなってきている。スマートフォンがなければ、街中にいる人がどこにいるのかわからなかっただろうし、リアルタイムに需要と供給をマッチングする方法などなかったと思う。そういったテクノロジーの進歩がリアルな世界のアセットの意味を再編集(車=>タクシー、部屋=>ホテル、オフィス=>コワーキング)していったものが、After GAFA以降のConcumer Facingなデカコーン達のトレンドではないだろうか。なので今後新しく伸びていく産業において考えないといけない1つの問いはスマートフォンの普及、つまりはインターネットの普及/IOTなどのセンサーによって、リアル店舗やリアルアセットの意味をどのように再編集/再定義することができるようになるのだろうかという問いなのではないかと思っている
ニューリテール/ニューショップの流れはとどのつまり、坪単価の劇的な改善であるのではないかその中でニューリテールという言葉は一つトレンドっぽくでてきているが、とどのつまりは上記の現象の中ででてきた概念・トレンドだとは思っている。ソフトウェア的にモノ売りをオフライン含めやってみた。って感じだ。とどのつまりは"LTVをいかにあげるか"という概念が導入される(LTVという概念こそ、アプリケーションサービスであるからこそ取りやすくなった概念なのでは)ことによって、坪単価の売上を通常の店舗よりあげることがニューリテールの本質であるのではないかと個人的には思っている。もっといえば、"新・小売革命"からの本から言葉を借りるとするならば、”インターネットの長所は情報量の高効率性にあり、オフラインの長所は情報流の体験性にあり、より複雑で多感で立体的な体験”この効率性と体験性が混ざったものがニューリテールといえるのではないかと考えている
「盒馬鮮生」(Hema Fresh)は中国で伸びているスーパーと思われているが、これもスーパーを上記の文脈で再編集したものなのではないかと考えている。そもそものスーパーというものは、そこで購入することが売上の価値だったが、このHemaは オフラインの売上 + オンラインの売上(デリバリー)ということによって、スーパーという概念からデリバリーの倉庫 + スーパー + フードコートというように新しい場所へと、再定義/再編集をしているのではないかと思っている。その結果、伝統的なスーパーよりも延床面積あたり4倍近くまで効率化されているらしい。また決済も独自アプリにこだわることによって、ユーザーとの接点をオンライン上で常にもてることにより、定期的な販促やリテンションができるようになり、LTVを押し上げるひとつ要因になったのではないだろうか。同じ文脈でLucking Coffeeも、コーヒーショップ/カフェを上記の文脈を元に再定義/再編集しているものではないだろうか。訪問して飲むものから、スマートフォンが全員もっている時代背景を踏まえて、常にアプリで接点をもち事前に注文するものへ変更することで、事前注文/デリバリーを前提としたモデルに書き換えている。それにより店舗あたり面積は小さい場所で運営することが可能になり、坪当たりの売上はおそらく他のコーヒーショップより高い収益性が誇る店舗ができているのではないかと思う。このようにソフトウェア的な思想のもと、Onlineで常に接点をもちながら、Offlineでの体験に革新や便利さをもたらるような構図のビジネスは今後も増えてくるのではないか
他で言うと、DTC店舗でいうと店舗設計をメディア化することによって、ファンのエンゲージメントを高め、最終的にはリピートレートを上げることを目的に店舗設計をしているのではないかと思う。(韓国に行った際に、ADER errorの店舗にいったが、正直まじで意味わからんかった。ただあの世界観を服装としても纏うという気持ちはわからんでもない。)そしてそれは、データ上でオフラインからオンラインへのクロスセルなどがわかることによって、店舗での売上だけにとどまらない売上をつくることができるようになっているのではないかと思う。例えば中目黒にあるSTARBUCKS RESERVE ROASTERY TOKYOみたいなのって売上だけで見ると普通の店舗より大分効率が悪いとおもう、ただそこで得たスターバックスへのロイヤリティによって、そのユーザーの生涯にかけてのスタバへの選択確率を上げることができたのであれば、それはLTVの改善に繋がる一手な気がしている
The concept of software ie everywhere前述したように、今からの世の中は全てがソフトウェア的な思考によって、組織も店舗も事業も全てマネジメントされるようになるのではないかと考えている。ソフトウェア的であることということは、どういうことなのか。それは、効率性/最適化を目指すために、データを元にアジャイルにPDCAを回し続けることができるようになることではないかと思う。そのような概念をもとに組織設計やコミュニケーションも変わってくるのではないかと思う。例えばSlackのようなツールやOKRといった組織のマネジメント方式も、いわば上記のような思考のもとに浸透していっているのではないか。ソフトウェア的な開発・運用がチームや組織を変えているし、それに伴って評価も変わっていくのではないかと思う。またここは議論が少しずれるが、Subscription化していく今の流れも、そもそもはデジタルコンテンツで行って来い型ではないソフトウェアにおけるビジネスモデルが現実へ染み出していっているのではないかとは思っている。今後もインターネット的な・ソフトウェア的な概念はあらゆるOfflineのあり方について再定義・再編集していくのではないかと考えている