テクノリバタリアン 次の思想を創るのは誰か

Books:テクノリバタリアン

前回の記事を書く際に非常に参考になった本。シリコンバレーをとりまく哲学や思想っぽさについて体系的にまとまっている本としては一読の価値がある。時代を創っていく人達にはなんの時代、どういう未来を創ろうかということが決まってないとやれないことがある。それをここに登場している全員は各々に信条があり、それを達成するために、事業を行っているんだなということは読んでいると改めて思う。

なんとなくだがAIが進めば進むほど、人の思想や哲学などが大事になってくる時代感な気がしており、このあたりの議論というのは日本でも進めていかないといけない気がしている。なんとなくアメリカがつくりたい世界への乗っかりになってしまっていくと、日本なりのスタートアップや新しい企業なんて出ない気がしている。そういった未来・時代を考えたいというとかっこつけすぎだが、それを今後も考えたいと思っている。

誰もが、自由で平等で共同体の絆のある功利的な(効用を最大化する)社会で暮らしたいと願うだろうが、これは机上の空論で原理的に実現不可能だ。

知識社会に適応できるかどうかには生得的な個人差があるから、自由な市場で競争すれば富は一部の「遺伝的に恵まれた者」に集中し、必然的に格差が広がっていく。それを平等にしようとすれば、国家が徴税などの暴力”によって市場に介入するしかない。自由を犠牲にしない平等(平等を犠牲にしない自由)はあり得ない