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InstagramやOpenAIを育てたJoshua Kushnerの投資哲学:Thrive Capital成功の秘訣

ジョシュア・クシュナー(Joshua Kushner)とは何者か 近年、人工知能(AI)スタートアップのOpenAIやInstagram、Stripeなど世界的に話題を集める企業に投資し、一躍注目を浴びているのがジョシュア・クシュナーだ。兄のジャレッド・クシュナーはイヴァンカ・トランプと結婚し、ドナルド・トランプ政権で補佐官を務めたことで広く知られている。しかしジョシュア本人は、ニューヨーク拠点のベンチャーキャピタル「Thrive Capital」を牽引し、独自の投資哲学とリーダーシップでアメリカのスタートアップ・シーンを大きく動かしている。本稿では、ジョシュア・クシュナーがどのようにThrive Capitalを築き上げ、OpenAIのようなユニコーン企業に積極出資するまでの軌跡と、その根底にある投資スタイルを概観する。 生い立ちと家族背景 家族の不動産ビジネスとスキャンダル ジョシュア・

AI特化のベンチャーキャピタル:Conviction Partners

Conviction Partners:AIに特化したVC Conviction PartnersはSara Guoという女性が立ち上げたAIに特化したファンドである。もともとSara Guoは名門VCであるGreylockでGPを務めていたところから独立し、立ち上げている。 初回のファンドながら100MUSD(160億円ほど)を集めてスタートしている。また上記で書いてあるように、AI-Native Companyに投資をするVCファームである。 Conviction is a new venture firm purpose-built to serve AI-Native, "Software 3.0" companies. We believe

VCのセカンドキャリア VCを辞めたらなにをするべきか

日本においてスタートアップやVC産業というものは昔からはあったが、業界が急速に発展していったのはここ10年ほどなのではないか。いま自分が勤めているANRIも5億円ほどの1号ファンドからはじまり、いまは300億円規模の5号ファンドまで成長することができている。他ファンドも同様に大きくなっていっており、VCのファンドサイズやVC投資額というのは年々増えてきている。つまりVC-backgroundな起業/起業家も増えてきている。 そういった中で、起業家がどのようにセカンドキャリアがあるのかについて昨今いろいろ議論がされてきている。個人的には下記記事で書いたようにM&A含めて活性化することによって、起業家という特殊なスキル・キャリアをもった人を有効活用していくことが次のユニコーンに繋がる感覚はあり、こういった流れがよりでてくることを期待している。 #22 MERGEナカジ@nakajish·2023年6月27日Read full story VCのセカンドキャリア そういった時に、VC側にいる側の人間としてもVCで働く人数が増えているという現象がある。若手VCという言葉が自分が6

時代を動かす思想はなにか(加速主義か利他主義か) ~VCが加速主義を盲信する理由~

少しトレンドからは出遅れましたが、昨年のOpenAIの騒動あたりからUSでも注目を浴びているe/acc(効果的加速主義)とEA(効果的利他主義)の概念の対立が顕在化してきているのを見て考えたい問いがあり記事を書いてみました。 ちょっとなかなかうまくまとめきれない難産な記事でしたし、こういうトピックにどこまで興味ある方がいるのか不安ではありますが、ぜひe/accやEAってなんでこんなに騒がれているのか?について気になった方など見ていただければ幸いです。 テクノロジーとイデオロギーは表裏一体 なぜこのような論点を考えたかったかというと、Glen weylという経済学者の、”テクノロジーとイデオロギーは表裏一体である”という言葉が強く自分の中では印象に残っている。 VCとしてもどのテクノロジーに対して投資をしていくのかを考えていく上でも、イデオロギーを考えることは必要だということを改めて認識をしたからである。そのためWeb3とマルクスのようなブログを書いたりした中で今回のテーマも書かざる/考えざるをえないと思った。 自分のような日本のVCの端くれがどのような思想をもち投資しようとと

なぜVCのコワーキングスペースが増えるのか?の雑文

*特段something newなことは書いてないです。 ファンドサイズが一定規模以上になると管理報酬が人以外にも使えるようになってくる。その管理報酬をどのようにつかうかがファンドの思想であり、差異を生み出す源泉の1つとなってくる。(まあ一番は人だと思うが) レイターになればなるほど、一般的にはValue addチームの組成のような、より投資先の事業に対する直接的な貢献ができるようなチームを組成することが定石となってきている。なぜなら事業はもうPMFしている場合があり、一番投資先に求められているのが成長に対する支援だからである。例えば採用・PRはどの事業にも横断的に必要となる要素だから、チーム組成がしやすい。 業界の人には釈迦に説法だけど、a16zのようになるとエキスパートがぞろぞろといるようになる。VCファンドのバイアウトファンド化のような現象が起きてくる。 一方シードラウンドなどにおいては、投資先の支援を考えたときに、まだその投資先が事業も不確かな場合が多いので、事業の成長への直接支援というチームをつくるインセンティブが弱くなる。そのためなにがシード期、創業期に手っ取り早く必要