スタートアップは短距離走に見せかけた超長距離走
スタートアップを立ち上げるというのは、人生をかけた大きな挑戦だと思う。実際、上場を目指すなら最低でも数年単位、時には10年以上の道のりになると考えるべきだと思う。
一方で、スタートアップは資金調達のサイクルによってマイルストーンが細かく区切られ、それぞれのフェーズは短期のスプリントのようにも見える。サービスを立ち上げた直後は、次の資金調達までにPMFを証明しなければならないし、そのためにかなりのスピードで動き続ける。ある意味、長距離走と短距離走を同時並行で走っているような状態だと感じる。
しかし、長期的に見れば、創業者の個人的なキャッシュフローは必ずしも潤沢ではないことが多い。上場して初めて株式を売却できる、という前提でスタートアップを進める場合、そこに至るまでの資金繰りは意外に厳しい。しかも家族がいるなら家計も支えねばならない。そう考えると、上場前に創業者がある程度株式を売却してキャッシュを手に入れる、いわゆる「セカンダリー売却」は選択肢として十分考えられるものだと思う。
とはいえ、日本においては「上場前に創業者が自社株を売るの
2024年は週に1度文章を書こうと思った
多くの人がやるだろうが、自分も毎年なんとなく年末年始に自分の目標を立てる。そのときの1つが週1で文章を書く。そしてコンサバに見積もって30記事ほどは書く(1ヶ月2記事以上という)目標を立てた。
なぜ文章をこれだけ書こうとおもったかというと、この数年端的にいうと迷って考えているからだ。スタートアップ・VCという仕事が好きで20代の途中で飛び込み、その当時は自分より先に学生からVC・スタートアップ業界にどっぷりな人が同年代いる中で必死にもがいてきた。
しかしこの数年はそういった現状維持の活動だけでは、なかなか大きな変化を生み出すことは難しいのではないかと考えてきた。その理由とかはずっとメルマガやブログで書いてきたから省略するが、改めて投資やスタートアップなどを考え直さないといけないのではないかと数年考えている。
なので意識的にあんまりスタートアップやVCのイベントからはこの数年は特に遠ざかっており、自分で考えるということを大事にしようと改めて思ったときに、文章を書くことは強制的に考えることだから毎週書いてみようと思えた。
結果30記事・
あっという間に1年が経ってしまう。早すぎる。今年何ができたのだろうかと自分を振り返る間もなく、12月も過ぎていくはず、、そんな中でも一応毎年続けている今年の冒頭の投資注目テーマに対しての振り返りを簡易に行いたい。
#36 今年振り返り:2023年注目している変化・投資領域2023年ももう終わりですねえ・・What's To Comeナカジnakajish
今年は投資が少なかった
今年はまずは自分の新規投資でいうと3-4社ほど(見込み含めて)というようになりそう。追加投資のほうがやはり圧倒的に多い1年となった。その中でも公表した投資先は灯白社のみかなと。
全体感みると2022-2023はクリプトへの期待、2023-2024年はAIへの期待みたいなのが込められているが、まあズレは今後もあるのだろうなと思えた。
こちらが今年の1月9日に書いた2024年の投資テーマ仮説について。この記載をもとに、今年を振り返って実際に投資できたかどうか、そういう現象が起きたかどうかについて考えてみたい。
#39 Requests for Startups 2024こんな問いに対して投資をしてみたい
ZIRPの時代
ZIRPという言葉をご存知だろうか。Zero Interest Phenomenon(ゼロ金利現象)/Zero Interest Policy(ゼロ金利政策)という言葉で、自分も経済雑誌を読んでいるときに見て、なんだそれはと目に止まって調べてみた。
ZIRPは「zero interest rate phenomenon(ゼロ金利現象)」の略語で、長年、手厚い福利厚生、高給、安定の代名詞だったテック業界の激変を表す言葉として最近、頻繁に登場している。
(大手テック社員に広がる新用語「ZIRP」とは? 高給、手厚い福利厚生…満ち足りていた業界を雇用不安が襲う)
日本だとそこまでのこの言葉自体の広がっているかというとそうでもない気がしているが、先に金利が上がったアメリカだと、
スタートアップ vs スモビジ
昨今よくX上などではスモビジが・・スタートアップが・・のような話題がよくでている。それを見ながら考えたことについて書いてみたい。そもそもスタートアップとはっていう定義も実は曖昧。急成長を目指すものやJカーブを掘るものだみたいな議論はあるが、自分も過去の#45 ”スタートアップ”とはどの企業を指すのか という記事で、そのあたりの問いについて考えてみたので、もしお時間あれば読んでほしい。
このような議論が活発なのは、この5年ほどで一気にスタートアップという言葉・概念についての民主化が行われており(昔はベンチャーだった気もするが)、起業したり挑戦することが多くなってきたことが影響しているのではないか。その結果その事業がスタートアップなのか、スモールビジネスなのかということについて問われることが多くなってきたのだと理解している。
いわば起業やスタートアップが身近になった結果、すべての起業がスタートアップであるべきだみたいにうつるものに対しての一種の反発・反動のように思える。その中にはVCへの悪評も含めて、VCから調達しなくても良い事業を作れる、スタートアッ