ステルスか否か
近年シード投資をしていても自分の投資先含めてステルスで調達してシリーズAとか明快なトラクションがでてくるまではステルスで活動していくほうが良さそうっていう論調が多いし、実際に自分が投資をさせていただいた先もステルスが多い気がする
そしてその選択肢は基本的には間違っていない気がしているが、最近は万人とタイミングによっては、ステルスである必要はないのではないかと思っているので、そのあたり自分の意見についてまとめていこうと思う
認識されないと何も始まらない
当たり前なんだけど知られないとなにも起きない。調達のリリースやプレスリリースなんてものは特に出したからなにかしら影響があるわけではないが、そのことを知ってくれる人は最低限でてくる。そして定期的な発信を通じて知名度は上がってくるものだ。プロダクトをつくっている時期などリリースする必要はないかもしれないが、採用したいが採用できないという相談をうけても、ではプロダクトはステルスのままで採用ができるほどの認知がサービスか起業家チームにあるのですか?という問いについてYESと答えられなければ、外にでるような人格つくってもいいからステルス状態は解除する選択肢は頭にいれてもいいとはおもう
リスクとしては事業が模倣されてしまうことなどが挙げられるので、一概に良いわけではないがどこかで良いアイデアであるならば模倣されていくし、なによりスタートアップにとってもしVC調達したならば大事なことはスピードと実行の量だと思っている。そこを高速で回転させていくためにも、認知度を上げていくために露出を増やし採用や事業提携につなげていく必要性はあるのではないかと思う
与信がないものほど認知を広げる必要がある
シリアルの起業家やどこかスタートアップで働いていたり、メガベンチャーなどで働いていてリファラルなどで人材を採用できることがあるのであればそんな認知にコストをかける必要は最初はないかもしれない。(書いてて思ったけどいや逆にそういう方々こそ施策に対する認知のレバレッジがより効くので力をいれるべきなのかもしれないが)
なので与信が少ない人ほど認知に対してコストをかけていく必要があるとは思っている。しかしこんなことを書きながら元も子もないことを言うと一番認知をあげることができるのは実績である。なので事業に向き合うことが一番の認知にはつながるという当たり前のことではあると思う。ただその上で生真面目な起業家に多いのだが事業に向き合うのは大前提だが、そういった認知でありそういったことにあまりコストや時間をかけすぎないのも、急成長していく必要があるスタートアップにはよくないことだとは思っている。すべての中心は人であり、採用が一番だと思う。PMFしてからが採用の本番という意見も正しいが、シードラウンドでさえ人が全てだと思う(当たり前)良い人をいかに獲得できるか、そのための認知はどういうふうにやるべきか。このあたりはよくよく考えて初期から動いてもいいと考えている
承認モンスターにはならない程度に、外向けの人格をつくる必要はあるかもしれない
代表の言葉で直接採用者や事業提携先に語りかけることができるようになったのはすべてがD2C化していく流れにおいて非常に一つ有効な手段であると思う。そしてそれは上場企業になるとできずらくなってくるのも確かなのではないか。なので一つの武器として代表の人格をかけて採用をしにいくというのはオプションとして考えるべきだ。
一方SNSは麻薬である、イイネなどを求めてしまうことに適応化していくことによって本来伝えたい認知でない形ででてしまうのはもったいない(ただ手段として否定しているわけではないです)なので外向けの人格というのをつくっていき、ステルスを解除し事業状態を知らせていくことは大事な代表の役割ではあるとは思う。
露出・認知の効果は複利、いきなりなにか果実を得れることは少ない
かといっていきなりツイートやブログを書いたからといっていきなりなにか良い効果がでるわけではない。スタートアップの経営にシルバーブレッドがあったことはみたことない。何か一撃で圧倒的にかわるわけではなく、こういった地道な露出や認知を広げていくことが複利となって果実となり現れてくるものだと思う
重複かもしれないが重要なことなので、認知だけとっても仕方はないまずは事業でありクライアントでありユーザーに向き合うことは大前提ではある。その上でスピードをあげていく上において今からスピード上げるぞってときから認知をしはじめてもいいのだけれども、踏むときに踏める土台作りというのは意図的につくっておいたほうがいいという意味で早めにとりかかってもよいのではないかと考えている
伝えたいのはただ闇雲に認知や露出すればいいという話ではなく、意図を持った適切な情報開示であるべきであり、Public Relationsを考え、社会の公器を目指していく意味合いにおいても、適切な情報発信であり認知を早めから意図して頻度をあげていくことは、大企業にできずらいスタートアップという意思決定の速さと文脈効果が為せるオプションなのでつかえるものはつかったほうがいいと思う
*普段自分はDeeptech側は見ていないので、少しそちらの知見はないです。また1意見なのでステルスのほうが良い場合も多々あるとは思います(主に競合関係や、技術に対する投資の場合など)
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