Requests for Startups 2024

毎年1月にその年にどういう投資領域が注目されるのだろうかということを書いているのだけれども、それもマンネリ化してきたなと思うと同時にふわっと領域っぽく書いても、あんまりおもしろくないなと思いました。
なので、今年は実験的に2024年はこういう領域の会社/こういう問いをもって取り組む会社に投資をしたいっていうテーマで書いてみます。タイトルからわかるように、Ycomのオマージュです。

なので、自分が投資をもうしているトレンドなどは省いたりしているかつ、2024年中は、投資したい領域が増えたら、記事のアップデートしていく感じの運用にしてみようかなと思ったり、思わなかったり。(しなかったらすみません)

ただ実際に投資に至る場合は自分の机上の空論を超えてくる企業だったりするので、全然あくまでこういうところに興味あるんだぐらいのエンタメとして読んでいただければ幸いです。


減速すべき分野への投資:政府や補助金と上手く付き合って産業を立ち上げられないか

今の世の中は①加速していく/加速をせざるない領域と、②減速していかないといけない領域があると思う。(個人的には)
例えばテクノロジー全般は正直加速していくしかないと思っている。誰かが無理やり止めることはなかなか不可能であるし、VCのポジショントークとしても変化を生まないと利益がでない、そして個人的には変化がないと面白くない。なので加速をしていくことを期待している。(このあたりは別のブログ書く。)

減速すべき分野

一方減速していかないといけないところはある。一番世界にとって大きなテーマは当たり前だが気候変動である。このままいくと気候変動リスクであり、二酸化炭素排出量は増大し続けていく。そのような加速のベクトルの強さを弱まらせるために、政府などによる介入が求められるところである。

他にも例えば地方含めた高齢化社会というのは減速させるというのは日本語として正しい表現ではないが、必ず対応策が必要。
またこれも減速という表現ではないかもしれないが、Defencetechで語られるような国防についても同様な課題意識があると思う。このあたりはVitalikのd/accのような話で表現したほうが伝わりやすいかもしれない。

補助金などによる力学変化

そういった減速させるべき分野については、例えば気候変動における、グリーンプレミアムのように費用がなにもしないと安いほうに流れるため、そこを補助金含めてインセンティブ構造を変更させる必要がある。そのような流れを創っていくことができるようなスタートアップを探している。
補助金などを活用して上手く産業を立ち上げられるような分野というと非常にスコープが広いが、そういった戦い方をしていくスタートにシード投資をしていくことは意味があるように思える。

スタートアップが解ける課題なのかというところも多い課題ではあるかもしれないが、大きな減速させるためのチャレンジとしてこういった攻め方のスタートアップを探している。


会話形インターフェースで既存ソフトウェアを再構築できないか

生成系AIによって会話形インターフェースがより普及していく可能性がある。2024でどこまでいけるかは正直わからないが、この延長にARグラスの世界もあると思っている。GUI・マウスで操作しクリックしてなにかを動かすソフトウェアはダサいよねって20年後ぐらいには言われる可能性がある(わからないけど)

既存のソフトウェアの体験というのはまだ第一原理から考えるとまだまだ改良の余地がある、一番便利なのは頭の中で考えたことがソフトウェア上でも動くこと。これはブレイン・マシン・インターフェースのような状態なので、まだ2024では先かもしれないが、注目はしている。

操作しなくてもいいUX/ AI-SaaSとはどういうものか

生成AIがでてきて、UIを覚えてどこになにがあることを学習していく手間をなくしていくことができるのではないだろうか。例えば営業CRMなども、チャットの会話すればデータベースが更新されているようなものはできるのかもしれない。AIを活用したSaaSなどのUXは今までのSaaSなどのUXとは異なってくるはずだ。

個人的にはずっとアイアンマンのジャービスがほしいとおもっていて、MemというOpenAIの出資しているサービスに読んだ記事とか情報をガンガンにいれているが、チャットでなにか探したい情報があるときに聞くと、そこで自分が登録した情報も参照しながら出してくれるから非常に便利。こういうUX体験が増えてくる予感がしている。

ChatGPTの登場でチャットボットという一世を風靡した方法がより進展するはずで、そもそもの人間にとって使いやすいソフトウェアとはなにか?という問いに対して答えるようなスタートアップがあれば良いなと思う。


AIによる学習方法/体験の再構築できないか

今までも機械学習的な意味、アダプティブラーニングのような文脈でAIは教育現場に使われて来ているとは思うけれども、より今回の生成AIによって学習方法がガラッと変えられたりしないだろうか。

OpenAIが出資しているSpeakなどの英会話アプリは知っている方が多いだろうが、ああいった言語学習でAIと話すみたいなのは非常に効果的なのでは?と思う。(自分はOpenAiの言語モードで話して練習したりしている)

考古学者のシュリーマンが言語学習の際に、人形に話かけたり、お金あるから何人も違う言語の人を雇って言語を覚えたみたいな逸話があるが、それがお金がそこまでなくてもできる未来がきている。

AIによる学習の再構築

他にも事例としては、Quizletというフラッシュカードアプリなどが、ChatGPTを搭載し、USではチャットしながら問題にヒントをくれたりするような学習方法が流行っている。
生成AIの実装により、問題が動的に作れたり、よりコミュニケーションを促したりすることが可能になるはずなので、例えばシュリーマンの例ではないが、今のお金持ち達がどのように新しいことを学んでいるかというものを低コスト(人を雇わずに)に実現ができるようになるのではないか。そういった学習体験の再構築ができるようなものに対して、投資をしてみたい気持ちはある。

リスキリングなどの流れに乗るものもあればいいと思うし、例えばCode academyや日本でいうとProgateのようなプログラミング学習も、生成AIを活用すると自分にはまだ想像できないが、何か新しい学習方法や既存の学習と比較しても良い体験がつくれるものはあるのではないかと思う。

社内向け学習ツールとしてのAI

またちょっと違った角度でいうと、マッキンゼーがLilliという社内向けの生成AIツールをつくって運用していたりなど、社内向けの暗黙知の学習をチャットボットという形で実装するなどは、できるような気がしている。ビッグデータという流行り言葉昔あったが、実はここにきてその暗黙知が実用化よりされやすくなるのではないかと思う。
ただこれはスタートアップとしてはAI学習コンサルみたいな入り方になってしまうかもしれないが、、


New Brandの作り方を教えてほしい/モノの記号化の加速

grounds

お金を払う理由というのをよく考えている。なぜその商品を買ったのか、なぜその選択をしたのかということに興味がある。

個人的にはこの10年ぐらいでコスパとかタイパという価値観がでてきたがそのあたりの資本主義的な価値観というか、お金で図れる価値観で選ぶというのは日本においては飽和してしまったように思える。
これからはセンスの時代だと個人的に思っているのだけどこれを書き出すと長くなるので、また別のブログで書く予定。

そういった消費者の価値観の変遷の中で、例えばD2CやコミュニティやP2Cなど含めていろんな言葉がでてきたのがこの数年であった。
そうした変遷の中で新しいブランドをどのように立ち上げていくのかは考えたい論点として興味関心が強い。例えばEngagement Economyと勝手に呼んでいるように、Engagementを促す方向性(推し活など)が重要視されて行っているような気がするし、それを補助するテクノロジーも多く出てきているように思える。

記号化の加速

使い古された話ではあるが、ボードリヤールが消費を単なる物質的な行為ではなく、記号やメッセージを通じた社会的なコミュニケーションだと定義している。その記号化ということが加速している印象がある。

ブランドをつくるということは記号自体をどのようにつくっていくことができるかということがキーになる。その時代におけるメディアが重要だと思うが、そこも多様化していく現代においてどのように記号・Brandをつくっていくのか興味がある。
既存投資先でいうとNOTHING NEWとかは、広義でいうとこれにチャレンジしているとも捉えている。

すべての製造コストっていうのは逓減していくはずで、生成AIは必ずこの現象を加速させる。全てのモノが作りやすくなった時に、どれを選ぶかということにおける記号の重要性は増していく

esportsやメタバース、アバターあたりやNFT/Cryptoあたりはこのテーマに内包されていくような気もしているような、そうでもないような。。


流通の新しいパッケージ発明とはなにか

どの時代においても流通を握るものが強い。それはオフライン/オンラインの流通においても同様であろう。これまでもコンテナなどの発明により流通は進展してきた、しかしその効率性や網羅性という意味の流通においては、どちらもだいぶ成熟・寡占になってきているのではないか。

新しい流通としてSNSなども発展してきてはいるものの、ここも一般的に普及してきてしまった。その中でもTikTokの流通においてはまだまだ伸びしろがあるので、TikTok/YouTube shorts関連は投資は考えている。

新しい流通の方法はなにか

そういった中で、今後はその流通で買う理由の発明などがより増えてくると面白いと考えている。
例えば、償還可能なNFTみたいなものは流通の発明になりうるかもしれない。その他にもランダム性に対してのガチャガチャなども一つ発明ではあるだろう。抽象的だが、今非常に流行っているトレカなどもこのテーマに内包されるかもしれない。

メディアやデバイスなどが変わればこの流通も変わる余地がある。例えばVR/ARなど。しかしまだインパクトがでるほどではないと考えているので2024年に投資するかは判断に迷うが、例えばARにおけるコマースというものができれば、それは流通の発明の1つになりうるものだと思う。

ただ新しいだけでは話題性で終わってしまうため、そこで買えば安いというわけでもなく、その流通で買うとなにか付加価値があるようなものがつくれれば良い事業になるのではないかと思っている。全く現状検討つかないが、そういうアイデアを期待している。

Cryptoの Protocol こそチャンス

流通の意味においては、CryptoのプロトコルにもまだまだOpportunityはあるはず。もう少しリサーチが必要ではあるが、Story protocol のようなIPのインフラ・流通を新しく作ろうとする流れは面白いと思う。
リサーチ不足感は否めないが、このあたりで新しい流通を生み出せる企業・プロトコルを探したい。


家の再発明をどうできるか/Teslaの家版とかどうでしょ

これはあんまり具体的なアイデアがないのだけれども、家というのは生活していく上でどうしても必需品。しかし、ただその家自体が変わり映えしない。年齢の関係もあり、そろそろ家でも買おうかと見ていても良い家はあるけど、どれも同じように見える。

家の役割の変化

一方で家への関心度は年々高まってきている。それは例えばコロナをきっかけとなり、リモートワークなど働き方の多様化が社会に認められるようになり、家という存在が単純に寝に帰る&土日を過ごす少し無機的な存在から、働き・交流も行われるような有機的な存在へと期待値が高まっているように思える。しかしそのニーズに答える発明がまだ少ない気がしている。

例えばだけど、これはBumblebee社の上からベッドが降りてくる家具など、こういうのは狭い日本のほうが必要とされているのではないか。(このベッドが上手くいっているかは知らないが・・)こういった面白い仕掛けであり工夫の余地がまだまだ家にはあるのではないかと考えてしまう。

家を問い直す

TeslaはEV車という側面はあるとはおもうが、そもそも車ってこうしたら便利ではないのか?ということを問い直して作られた車のような気がしている。家も同様のことが言えるのではないだろうか。そもそも家とは?ということからはじめて今の時代にあった何かがもっとあるはずと考えたりする。

また違う方向性としては、3Dプリンターなどによる家をより低価格にしていくイノベーションは進んでいる。もしくは例えば車に住むような方向性も面白いと思う。そのような単価を下げる方向性についてもぜひイノベーションがほしい。

もしくはセカンドハウスを持ちやすくするのような、多拠点生活を促すような解き方もあるかもしれない。もう取り組んでいる会社などもあると思うが。

コミュニティとしての住処

また更に別の方向性としては、家そのものでなくコミュニティに中心をおいた新しい発明はある。それこそWeworkのアダムニューマンの新しい会社Flowがなにをするのかは非常に気になっている。まだ全容が明らかにはなってない認識なのだけれども、下記のようなテクノロジーを利用しながらもコミュニティ主導な何かを発明しようとしているようだ。

コミュニティ主導の体験重視のサービスと最新のテクノロジーを、これまでにない方法で融合させ、借り手が所有者のメリットを享受できるシステムを構築する必要があります(Investing in Flow by Marc Andreessen)

個社最適のSaaSを作るための何か/SIer Update?

SaaSは今後も進展していくと思うし、労働生産性が低いかつ今後の人口減少が現状は運命づけられている日本という国においてはSaaSのようなサービスはよりもっと普及していくべきである。
生産性低いかつ人もいないのに、人の運用・気合でカバーしようとするのがこの国の悪い点(良い点:サービスの質の高さでもある)ではあるので、意識の問題も大きいとは思うが、、

発明は少しづつはできており、Horizontalに解決できるものやVerticalで解決できるもののもある程度プレイヤーはでてきたように思える、共通の課題を共通の方法で解くというスペースは狭まりつつあるように思える(それでも自分に見えてない課題があるものは多いとは思うが)

しかしそれでもまだまだ生産性を上げるためにエクセルやマクロで組んでいたところなど含めて、代替可能なものは多いと思う。そういったところを補助するものなどは何かまだ探している。そしてそれを複合プロダクトで攻めていくことは可能なはず。投資先でいうと Stack社などは近い

Composable/Interoperability

2022年にも下記のように同じようなことを書いていたので、正直その延長ではあるものの、Composableで、Interoperability (相互運用性)あるようなシステム設計ができるようなものが増えてくるはず。基幹システムを基盤としたComposableなシステム開発が求められるようになるはず。
この延長にSaaS同士のM&Aなどはもっと増えて叱るべきだと思うし、Compoundというように複利が効くように、プロダクトを複層化していく流れは続くと思う。

【Composable SaaS:ヘッドレス系・ヘッドオンリーなど、ノーコードあたりがSIer(基幹システム)とSaaSの間を繋ぐ一つのトレンドになり得るのでは】

(中略)2022年はSaaS全般はもちろん伸びていくが、そこで拾いきれないところをDXしていくようなノーコード・ローコードでInternal Softwareを構築していくことができるものにより注目が集まっていくのではないのだろうか。海外でいうとRetoolみたいなの調達しているが、このあたりはより投資分野としても今年考えたい(2022年注目投資領域・環境変化 #04

SIer update

また別軸でいうとここまでいくとソフトウェアの会社よりは、SIerの様相を呈してくる。SIerからSoftware会社に対しての外注(内製化)のトレンドが続いていたが、もう一度SIerのような会社に頼むところとSaaSなどによる自社で管理するところが混線よりしていくのが今後の流れになるのではないかと。
そういったSIerのアップデートのようなものについても考えたい。


微かな領土性を感じるものは人類には必要 /コミュニティ再興/ Closed SNS?

スタートアップということから少し遠いかもしれないが、個人的にはずっと気になっているテーマ感。資本主義が浸透していった、成熟してきた今こそこの領土性とドゥルーズガタリが表現したことについて、気になっている。

拠り所が求められている

下記の記事で自分が記載していたように、マルクスが資本主義の出現時に呈した問いはまだ残っており、成熟してきた今こそ再び考えないといけないものとなってきている。一言でいうと”拠り所というものがなくなってきている”のが今の状態ではないのかと思う。

そうした資本主義はあらゆるものを”商品化”していった。誰もが利用できた、コミュニティで利用できた”コモン”が、資本によって独占され、貨幣を介した交換の対象としての商品となっていた
それはモノだけでなく、人もである。人自体も商品となっていく。つまり共同体などのしがらみのなかで生きていた(封建制など)ことから、商品として資本市場で消費される存在へとなっていった。このような状況を生む資本主義の台頭を彼は予見し、警笛を促してきた。
(中略)その対抗策としてアソシエーションによるコモンの再生ということを彼は提案している。アソシエーションとは、共通の目的のために自発的に結びつき、協同する活動のことを指す。(#34 Web3 can (not) succeed Marx's Vision

その拠り所は昔は家族であったり、地域のExtendedコミュニティであったりしていたのではなかろうか。
しかしそれが軽薄化していき、そのあとにはインターネット/SNSというものができて現実世界のオルタナティブとしてのコミュニティの要素ができていった。しかし今のSNSはその特徴はあるにはあるが、悪い意味でのコミュニティの引力による分断化が進む中で、万人が独自のエコチェンバーの中でお互いを罵り合うことが多くなってきてしまっている。これでは拠り所とは正反対である。

かろうじての領土性

このような中で下記の言葉を借りるなら、人間がどうしても必要としてしまうかろうじての領土性を生み出すサービスや事業に投資をしたいと考えている。例えばそれはDiscrodのようなものかもしれないし、なにかしらのコミュニティなのかもしれないし、VR-chatなのかもしれないし、D2C的な文脈なのかもしれないし、DAOなのかもしれないし、ClosedなSNSなのかもしれない。
自分がここにいてもいいのだというような安心感であり、土台になるようなものはより求められていくのではないかと思っている。そういったものはもしかしたらソフトウェア・Webサービスだけで成立する時代でもないのかもしれないが、世界には必要だとおもうのでこの空気をまとったサービスには期待している。

基本的にグローバル資本主義は全面的な流動化に向かっていますが、それでも人間がどうしても必要としてしまう“かろうじての領土性”のようなものを、互いを排除するような形ではなく、何かいい形で成り立たせることはできないのかということが今日の思想の大きな課題だろう(加速主義 資本主義の疾走、未来への〈脱出〉)

IoT商品の無印良品/AI-embedded なハード商品がほしい

これもおおざっぱな問いではあるのだが、IOTという言葉が流行ってからもうだいぶ立つように思える。今後も様々なコストが安くなっていくのであれば、インターネットに接続された便利な商品というものはもっと増えてきていい

まな板×インターネットとか

しかし実際に自分の暮らしを考えていても、家電などだけがIoT化しており、まだまだ日用品など含めてIoT化できるものはまだあるのではないかと思ってしまう。(もしかしたらないのかもしれないけど)例えばまな板、包丁やお皿、ヨガマットや椅子など日常でつかっているものをインターネットに繋ぐことができたらもっと何ができるのか?みたいな問いについて考えていくと今まだないヒット商品がでていく可能性はあると思う。

と書きつつb8taとかはこういうIoTの無印っぽいコンセプトに近いのかもとは思えてきた。しかしうまくいっているかはわからない。ただもう少し店舗に行って買う理由づくり含めて、体験できるワクワクするような商品が増えればいいなとミーハーな消費者としては思う。アメトークの家電芸人ではないが、ガラパゴスと呼ばれていた昔の家電メーカーがいろんな面白い機能にチャレンジしたころが懐かしい。コスパなどではなく、人々が買う気になる理由ができる商品がふえることを期待している。

AI-embedded な商品

米ヒューメインが開発した人工知能(AI)を使えるウエアラブル端末「Ai Pin」(同社提供・時事)

また別の軸でいうと、昨年から少しずつAI-embedded なプロダクトがソフトウェアに限らず増えてきている。昨年少し話題になったものはAi Pinや、サム・アルトマンなのどがAI baseのスマートフォンをつくるニュースなど記憶に新しい。

この業界にいる人は漏れずだとはおもうが、ガジェット好き人間としてこのあたりでヒットガジェットがでてきてほしいし、上記と同様だが、チャレンジングな商品がもっとでてきてほしいなと思う。すぐには成功しないとはおもうが。
AI-Software搭載のSmartphoneでいいじゃないか(Googleなどが実際にもっと本腰をいれそうだし)という意見も真っ当だなとおもいつつ、例えば工場で使われるためのなど用途を限定したB2Bのようなものなど含めて、面白いアイデアをぜひ聞けることを楽しみにしている


Roll-up modelで様々な効率性をあげていける分野はまだあるのではないか

一時期には様々なところで話題になったAmazonの商品のRoll-upをしていったThrasioは破産してしまった。しかしあのモデル自体が悪いわけではないと思っている。急速な成長との兼ね合いと、Debtの割合(資本コストとの調整)に失敗しただけなのではないかと思う。

Roll-upによる成長戦略

インターネット/Software産業はPEのスコープになってくるのではないかということを、自分もツイート(ポスト)以前した。その中でも数字でより見えやすく積み上げやすいリカーリングビジネスモデルのものなどはこういったRoll-upがより起こりやすいのではないか。その前段階としての海外でのPipeのような資本コストの中間の役割を担えているスタートアップが躍動しているのではないか

VCの力学の影響

ここにはVCのファンドサイズの巨大化に伴い、Valuationが上がっていくなかでの、リターンをだすため/資本コストを乗り越えるためにはより指数関数的な成長が求められる。しかしそれを1事業で作ることは難しいため、Compoundというような複利を効かせていくための打ち手が求められる。それは事業ラインを増やすことも1つの答えであり、そのための買収,Roll-upというのは今後も増えるであろう。

Roll-upが進んでいくべき分野はソフトウェア産業以外にもあるが、そういったテーマは投資をしてみたい。しかしそれこそここはVCより、PEのバイアウトファンドの主戦場なので、この領域が投資スコープに入るかはわからないが、良いアイデアあればぜひ検討したい。


インディーズゲーム会社 from AI-scratched/Web3要素ありゲーム開発

AIによって開発スピードなどが今後より革新があるはず。しかし現状だとクオリティの問題や法務的な問題で、大きな企業はリサーチは必ずしているが、実際に導入が進むかというと個人的には2024年の時点では怪しい。
そこにおいてインディーズゲーム会社が世界にむけて、生成AIを活用してゲームをつくるというストーリーは投資したいなと思っている。(自分はゲーム会社出身でないので、そう簡単でないんだよ!という話なのかもしれないが)

Steamの躍進

昔はゲームはどれかのハードデバイスで発売しないといけなかったが、スマフォンでアプリストアが開放され、また近年ではSteamが躍進しており、こういったインディーズゲーム会社にもグローバルへの道が開かれている。

引用:【株式会社ゲームエイジ総研

生成系AI活用

そのような中で主に海外においてこういったAIを活用したゲーム開発用のプロダクトが続々とでてきている。例えば、InworldはNPCにAIの力で命を与えることができたり、CSMなどは3DCGアセットを生成することができたりする。
実用レベルに耐えうるかは正直わからないが、これらのようなサービスを活用して開発を効率化することができるかもしれないし、新しいゲーム体験を構築できるかもしれない。そういったものをぜひ探してみたい。

Web3要素

また昨年はそこまでweb3ゲームというのは世界的にも着目を浴びなかったが、Crypto自体はBitcoinの価格含めて息を吹き返しつつある中で、上記のAIの活用とともにWeb3の要素をいれていくゲームはまだまだでてきてしかるべきだと思う。投資先でいうとKyuzanが最近スクエニさんとBCGをだしたが、こういった新しい分野の開発が必要なものもスタートアップが担うべきものだとおもうので、期待している。

別トピックだがゲームとVCは相性が悪いのか?これはわからない。確かにエンターテイメントはホームランビジネスなので、不確実性が高い。一方そのリターンの大きさでいうともしかすると合うのかもしれないし、VCもホームランビジネスである。
しかし、ソーシャルゲームがこれだけ流行った国かつコンテンツが強い国においてもったいない気もしている。なので何社か自分も投資はしているが、今後も答えはわからないが、資本をうまく使う理由を起業家とともに探していきたい


組織の力学をかえる仕組み/発明はないのか

DAOのような組織形態に着目が集まったのは、2022-2023だったが、未だにいろんな組織で取り入れられている概念かというと、自分のリサーチ不足でもあるとおもうがそこまで普及はしていない印象がある。
一方で、働き方の多様化含めて、組織というもののあり方、力学の動かし方というのはトップダウンの一律的な動き方ではなくなっていく流れは確かにあるし、一定度は不可逆ではある。ホラクラシーのような概念が徐々に浸透していっている流れも感じる。

DAOに向く組織

ただDAOのような組織の意思決定は向く組織、向かない組織があると思っている。例えばスタートアップ的成長を目指す組織には向かないと思う。このあたりは自分が説明するよりVitalikの記事を参照してほしい。
簡易にいうと中央集権であるべき組織(凸型)と、分散すべき組織(凹型)では理想とする組織の意思決定が異なるという話である。

DAOs are not corporations: where decentralization in autonomous organizations matters
意思決定が凸である場合、その意思決定のプロセスを分散させると、混乱や質の低い妥協につながりやすい。一方、意思決定が凹型である場合は、群衆の知恵に頼った方が良い答えが得られる。このような場合、意思決定に大量の多様な意見を取り入れるDAOのような構造は、非常に理にかなっている。(DAOs are not corporations

このようにすべての組織にDAO的考え方があてはまるとはおもわないが、今の時代にあった組織の力学の創り方はあると思っている。それは各論でいうと海外人材をどう活用するかなどになってくるとDeelのようなサービスなのかもしれないし、uniposのようなポイントシステムによる自発性なのかもしれないし、OKRのような評価指標なのかもしれない。

1社だけで働くことが終わる時代

スタートアップという形態で解ける問いなのかはわからないが、今後10-20年を考えたときに、人はおそらく1社だけで働くというよりグラデーションをもって様々な組織に係ることは増えていくのではないかと考えている。そういったときにどのようなものが新しい組織に必要か想像して実装するアイデアを募集している。

AIが組織の一部にリプレイスできる可能性/AIとの共同作業

また少し違った角度から組織の力学を考える際に考慮すべきはAIが組織の一部の役割をリプレイスする可能性はあるだろう。社員数を少なくしてAIを社員として定義して扱うような組織図も将来的にはありえるのかもしれない。
そういったAIとCo-worikingしていくうえでも新しい組織の力学の発明というのは必要なように思える。


Additional Requests

上記も煮詰まってないものが多いがここから先はより煮詰まってない問いが多いがこのあたりも気になるということで、羅列していく。

2024-2030年までのARユースケースで普及するものは何か

2024年で楽しみなのはAppleがAR/MRデバイスを出すことである。値段も高く、もちろんすぐに普及することは無いと思うが、1つAR/MR系には重要な点になってくると思う。まだ自分はAR投資をしていないが、シードに投資するVCとしては、この問いは考え始めないといけないなと思う。ゲーム?EC?デバイスでできることを見ながら一緒に考えられるスタートアップを募集したい。

オフラインの意味の見直しをしたら何ができるか?

OMOやらD2Cやらいろいろと店舗との関連性は多くなってきたが、改めてオフラインの意味の見直しが進むのではないかと思う。コロナをきっかけに一気にEC化が進んでいったが、逆にコロナが落ち着いている今からオフラインの重要性というものは上がってくるのでは。それでもオンラインが主ではあるともうが、イマーシブが今後オフラインには重要というブログも書いたがこのあたり論点として気になっている。

Roboticsのまだ見ぬユースケースはあるのか

Roboticsど真ん中は自分もまだ投資できていないが、労働生産性を上げるためにも必要。この数年の変化としては、ファミリーレストランで、配膳ロボットが導入されたことは面白い変化だと思っている。
個人的には投資したいとおもいながら、なかなかユースケースがおもいつかないが、まだあるのは確実だとおもっているので、コストリターンがあうのかなどまだまだ気になる点は多いが引き続き考えたいテーマ

外貨を稼ぐことができるのはなに

これも雑なテーマではあるが、2023年の投資は結構これを念頭において投資をしてみた。内需だけではない、外資を稼ぐことができるようなものは何なのか?単純に考えるとコンテンツになってくるので、もちろん投資したがもっとあるのかもしれない。テーマパークとかそうなのか?もう少しリサーチしたい。

セキュリティ分野にセキュリティコンサル以外の解き方あるのか

サイバーセキュリティは海外含めて、一大テーマではあるが、なかなかプロダクトで勝負となると海外勢のプロダクトが越境してくる。使うインフラも同じのためそことどう対抗するかはなかなか難しいなと思う。
自分も正直詳しくはないが、オンプレとクラウドが混ざってきた課題において、データ管理の姿勢管理DSPMのようなテーマにおいてはWizやCYERAなどのような海外スタートアップがもう解決策をだしている。Crowdstrikeなどもクラウド管理では強い。
そのため日本のスタートアップでどういうエントリー方法が良いのかはまだ思いついてはいないが、この分野はぜひ投資をしたい。(Palantirのような攻め方はあるような気もする)

労働生産性を上げるための何か/上げざるを得ない業界はなにか

このテーマは当たり前すぎて書くか迷ったが、今年に"時間外労働の上限規制猶予期間終わり"が来てしまう。そのため運送業界、建築業界など労働生産性についてよりテコ入れが必要になってくるであろう。これはSaaS文脈であるが、今後もこの国に住む限りは投資していかないといけないテーマ。いわゆるDXだと思う。

AI脅威に対する対策はなにができるか

AIのテクノロジーを前半で期待・賛美しながらも、当たり前だが負の側面は大きい。Fake newsはじめとして著作権の問題含めて今後も負の側面は必ずでてくるであろう。それをなんとか対策することができるサービスも同時に必ず必要で、そういったものにも投資をしたい。

Synthetic Biologyであらゆるものを構築しなおす

自分の知識スコープではないが、合成生物学あたりは人類に与えるインパクトは今後大きくなることは間違いない。培養肉はじめ、すべてのものがプログラミング可能になっていく未来を見据えたい。
といいつつ、自分がより深く語れることは今日時点ではないので、自分も学ばないといけない論点である。


投資先としては投資済みテーマだけど、まだ攻めたいところ

・海外向けへのコンテンツ勝負(Anotherball,Plott, NOTHING NEW etc..):外資稼ぎたい
・Generative AIのユースケース模索(Carnot,Kinkaku etc..):まだまだ模索をしたい
・DX化まったなし業界(dinii, TAIAN, CHOMPY etc..):もうDXしてかないと人が足りないところまだあるはず
・Mobility全般、自動運転含め(Luup  etc..):シンプルにモノがあるの好き、自動配送とかチャレンジしたいテーマ
・人材流動性上げる(YOUTRUST,Lbose,Gramn, etc..):もっと流動性を上げたい
・NFT/SBTsユースケース(Kyuzan,WizOnchain,Conviction etc..):まだまだユースケースはあるはず
・XR系のヒットユースケース(ambr,VARK,Flamers etc..):デバイスの加速させたい思いはある


過去の今年の注目分野

下記過去に書いた注目領域です。お暇なときにぜひ。

2023年の投資・注目領域

2022年の投資・注目領域

2021年の投資・注目領域

2020年の投資・注目領域

2019年の投資・注目領域

読んでいただきありがとうございます。
こんなこと書いてますが、もっと狂気な投資もやっていかないと外れ値は生まれないので、外れ値をだすような投資というものを心がけたいですね。

そんな良い意味で狂ったアイデアお待ちしております!!

X:https://twitter.com/nakajish