ポストヒューマニズム:脱人間中心主義
今回の記事を書くにあたってもだいぶ参考になった本。テクノロジーと思想・哲学みたいなものが自分の興味範囲なので、非常に刺さった。
どういったテクノロジーを使うか使わないかもそれは、人によりけりというところがある。なので、そういった人がどういう哲学でどういうふうに考えてこうのような思想を実装していくのかっていう点が個人的には非常にきになっている。
人間性というヒューマニズムに対してルネッサンス期にあらためて取り戻していったが、そのヒューマニズムというものが神を通りこした結果戦争やナショナリズムというものに結びつていったという負の側面があったことは見逃せない。
そういうときのヒューマニズムというものに対してどういうふうに向き合うのかというのがこの時代改めて問われているということを本を通して示してくれる。それはこの数年のAIの発展においても、より考えさせられるようなものになってきている。
結論先取的に言えば、二ー世紀になって社会全体の「ポスト・ヒューマニズム的転回」が起こっている。すなわち、情報テクノロジーやバイオテクノロジーによって、人間を中心に据えた西洋近代社会が大きく揺らいでおり、こうした「ポスト・ヒューマン的状況」に対してどのような態度をとるかという問題を、現代のいかなる哲学者も避けて通れなくなったのである。
したがってポスト・ヒューマニズムという観点から、思弁的実在論、加速主義、新実在論を見渡すことができれば、一見複雑で抽象的に見えるこれらの思想の共通点や相違も、具体的な形で理解できる