VCのセカンドキャリア VCを辞めたらなにをするべきか

日本においてスタートアップやVC産業というものは昔からはあったが、業界が急速に発展していったのはここ10年ほどなのではないか。いま自分が勤めているANRIも5億円ほどの1号ファンドからはじまり、いまは300億円規模の5号ファンドまで成長することができている。他ファンドも同様に大きくなっていっており、VCのファンドサイズやVC投資額というのは年々増えてきている。つまりVC-backgroundな起業/起業家も増えてきている。 そういった中で、起業家がどのようにセカンドキャリアがあるのかについて昨今いろいろ議論がされてきている。個人的には下記記事で書いたようにM&A含めて活性化することによって、起業家という特殊なスキル・キャリアをもった人を有効活用していくことが次のユニコーンに繋がる感覚はあり、こういった流れがよりでてくることを期待している。 #22 MERGEナカジ@nakajish·2023年6月27日Read full story VCのセカンドキャリア そういった時に、VC側にいる側の人間としてもVCで働く人数が増えているという現象がある。若手VCという言葉が自分が6

第一原理から考える起業アイデアが世の中を大きく変える

昔から”考える”という行為自体がどういうことかについて”考えていた”。 きっかけとまではいかないが、”ちゃんと考えて発言しろよ”って昔の上司から言われたことが深く残っている。”考える”ってなんだろう?とそのとき改めて思えた。大学時代に読んで今でも読み返す、イシューからはじめよや、はじめて考えるときのようになどは名著だが、なかなか考えるという行為は奥深いなと思うし、難しいことだと今でも思うし、結論がでてはいない。 考え方の切り口 そうしてスタートアップやVCの仕事をするようになり、起業アイデアやその起業アイデアが受け入れられるのか・また成長仮説があたっているのかどうかをより考えないといけないことが増えてきた。そしてまだまだ歴としては浅いが数年間いろいろな起業アイデアや、考え方と出会わせていただいた。その中で、自分なりの言語で再記述してみたいと思って何本か考え方についての記事を書いてきた。 #18 ナラティブだけが人を動かす や、#46 AI時代におけるセンスの必要性について や、#42 ロジカルシンキングの限界とスペキュラティヴシンキングの可能性 ~ユニコーン企業を生む問い~

現代の茶室/コーヒーハウスはどこにあるか

公共圏/ナラティヴの起こる場所 前回の記事において、メルマガなどのようなものは公共圏ぽさや、公的・私的なもののベン図の重なりのような存在なのではないかと書いた。またそういったものの良さは友達づくりになることができるという効用があることも記載した。今回はそういった場所が他にどこにあるのか、またそういった場所の重要性について考えてみたいい。 以前にナラティヴの重要性についての記事で、ざっくりいうと大きな物語への不信感、合意形成の困難性により、小さな物語の時代、ポストモダンな時代に今生きている中で、対話を通じて信じられるナラティヴを創り上げていくことの重要性について考えた。 大きな物語の終焉=絶対的な真理や普遍的な原理原則の追求に対して不信感が募った結果として生まれた「万人が信じる真理など存在しないのだ」という世界への姿勢(ナラティブだけが人を動かす) 対話の機会/場所の減少 そういったナラティヴをつくっていくためにも、人々の対話を促進していくことが重要であるし、実際に例えば企業においての1on1文化などもそのような流れを組んで企業経営というメソッドではある。しかしそういった対話が

世界のラグジュアリーブランドはいま何をしているのか?

-Books:世界のラグジュアリーブランドはいま何をしているのか? 最近このラグジュアリーブランドについて非常に興味がある。その製品ももちろん興味あるが、どちらかというとなぜラグジュアリーブランドはラグジュアリーでありつづけられるのか?そういったブランドという付加価値をどのようにして組成し、保っているのかが気になっている。 AI含めた進歩の中でおそらく機能的なものっていうのはどんどん限界コストが安くなっていき、誰でもとはいわないが創られるようなものが多くなってくると思う。その中でも人が買う理由、何かを選択する中でブランドというものは今後より一層価値の置き方が強くなってくるのではないかと個人的には感がている。 この本がその問いにバッチリ答えられているかというと、そうでもない。ただコロナ以降でのブランドの努力や、思想みたいなのは垣間見える本ではあったので、このような領域の起業家や、働いている方は一読する価値はあると思う。 クリエイティビティこそラグジュアリーの本質。クリエイティビティはラグジュアリーを定義づける要素である。時代感にあったものを創出する必要性がある。リスクをとらないと

アニメ制作会社のようにWebサービスを創る

ロックバンドのようなスタートアップ 自分が大学生時代の10年ほど前ぐらいだとiPhoneなどのデバイスシフトのような動きもある中で、自分がよく触るようなプロダクトが変わっていったという経験をしてしまっている。1プロダクト1サービスで上場し、世の中を変えていくようなことを見てしまった。AirbnbやFacebookなどのようなサービスに憧れた世代ではある。そういったものに憧れてこの世界に入っている節はある。 日本でいうとmixiやモバゲーなどから、mercariのようなサービスなどそういったサービスが多くでてきたりしていた。自分も大学生ながら、バンドが新曲を出すことを期待するように、techcrunchの記事などを毎日楽しみにしながら読んだりしたいた。 ワンプロダクトの幻影 それから10年ほど経ってきた中で、あれほどまで様々なコンセプトのサービスが多く乱立する時代は少しづつ変わってきているようにみえる。ワンプロダクトで世界を変えるといったものに憧れてはいるものの、Facebookなどを時代を頂点としてそこまでそのようなプロダクトは日米を見てもないのではないか。(もちろんいろんなとこ