ビジネスを育てる 適切な成長率を気にする

Book:ビジネスを育てる いくつか話題になっていることもあり、ざっと読んでみた。VC-backgroundのビジネスの成長の方法ではないが、ポエムのような実践的なような不思議な感覚になる本だった。読み終わったあと自分も事業を創りたくなるような気持ちになれる本で、非常に不思議な感覚をした本だった。 これからなにか自分で始めようという人にとっては一度手に取る価値がある本だと思う。一方すごくなにかが参考になったかというと、もちろん様々な学びはあるが、今回メインで紹介した失敗の本質ほど心には染みなかった。 しかし気軽に読めて、なにか起業家精神が刺激されるようなそんな不思議な本だったため、そのぐらいの気持ちでぜひ読んでほしい。 創業者(マネジャー)の果たすべき最も重要な働きは、自社のビジネスに自然と無理なく内在する成長率を見定めることだ。そしてそれにペースをセットする。 ビジネスを成長させるためには、市場から「あなた(の会社)がビジネスをしていいですよ」という「パーミション(許可)」をもらうのである。起業家は顧客から、「商品を販売してもいいですよ」というパーミションを与えてもらわなけ

ポストヒューマニズム:脱人間中心主義

BOOKS:ポストヒューマニズム 今回の記事を書くにあたってもだいぶ参考になった本。テクノロジーと思想・哲学みたいなものが自分の興味範囲なので、非常に刺さった。 どういったテクノロジーを使うか使わないかもそれは、人によりけりというところがある。なので、そういった人がどういう哲学でどういうふうに考えてこうのような思想を実装していくのかっていう点が個人的には非常にきになっている。 人間性というヒューマニズムに対してルネッサンス期にあらためて取り戻していったが、そのヒューマニズムというものが神を通りこした結果戦争やナショナリズムというものに結びつていったという負の側面があったことは見逃せない。 そういうときのヒューマニズムというものに対してどういうふうに向き合うのかというのがこの時代改めて問われているということを本を通して示してくれる。それはこの数年のAIの発展においても、より考えさせられるようなものになってきている。 結論先取的に言えば、二ー世紀になって社会全体の「ポスト・ヒューマニズム的転回」が起こっている。すなわち、情報テクノロジーやバイオテクノロジーによって、人間を中心に据

テクノリバタリアン 次の思想を創るのは誰か

Books:テクノリバタリアン 前回の記事を書く際に非常に参考になった本。シリコンバレーをとりまく哲学や思想っぽさについて体系的にまとまっている本としては一読の価値がある。時代を創っていく人達にはなんの時代、どういう未来を創ろうかということが決まってないとやれないことがある。それをここに登場している全員は各々に信条があり、それを達成するために、事業を行っているんだなということは読んでいると改めて思う。 なんとなくだがAIが進めば進むほど、人の思想や哲学などが大事になってくる時代感な気がしており、このあたりの議論というのは日本でも進めていかないといけない気がしている。なんとなくアメリカがつくりたい世界への乗っかりになってしまっていくと、日本なりのスタートアップや新しい企業なんて出ない気がしている。そういった未来・時代を考えたいというとかっこつけすぎだが、それを今後も考えたいと思っている。 誰もが、自由で平等で共同体の絆のある功利的な(効用を最大化する)社会で暮らしたいと願うだろうが、これは机上の空論で原理的に実現不可能だ。 知識社会に適応できるかどうかには生得的な個人差があるから

Offkaiと海外Vtuberの現状と可能性

久々のUS訪問 先週久々にアメリカに行ってきた。ずっと久々に訪問してみたかったが、コロナをきっかけに機会を逃していた。それまでは年に1度ぐらいは訪問していた記憶がある。真面目になかなか機会もないなかで、一旦いくのもな・・ということを考えながら過ごしていると、結局いくことが遅くなってしまった。(とりあえず行動というのと、目的感を自分でも納得した上でいきたいみたいなのがでてしまう) 結構変わっている部分と変わっていない部分もあるなあと思いつつ、今回滞在した主目的であるOffkaiというVtuberのイベントを中心に旅行滞在記を今回は書いてみたい。いつもより緩い感じとなり恐縮だが、メールマガジンなのでそんなものだと捉えていただければ幸いである。 Offkai:USのVtuber最大イベント 今回の大きな目的だったのがこのOffkaiへの参加である。投資先にAnotherballという会社があり、AniLiveというVtuber配信PF事業を海外で展開している企業である。そこの代表の大湯さんに誘われていったというのが今回の弾丸渡米の理由であった。 そもそも今年はさすがにUSに行こうと

日常的な延命 「死にたい」から考える:僕らの世代の感覚

Books:日常的な延命 「死にたい」から考える タイトルに惹かれて購入した。死にたいという感情に対して言語化が素晴らしかったかつ、自分も同じような思考をしているなと思っていたら、同い年の生まれで驚いた。 同年代が社会を論じるようになってきたことに希望を感じる気もしている。同じような論者から刺激を受けてこの時代性における感情を言語化しているような感覚になり非常に応援したいし、少し悔しいような感覚にもなった。 死にたいとおもったことは新卒2年目からうっすらずっとあるのだが、これを解決する方法もぼんやりとはわかっている。ただ一つの治療薬としてはこのメルマガ含めて書くこと・創作することは自分の中ではこだわっている。(そう意識しだしたのはこの数年だが・・)自分を取り戻すために書いている。 そういったぼんやりとでも死にたいと考えたことがある人には結構生きていくための考えるきっかけが詰まっている本なので、自分と同じような気持ちがある人にはオススメしたい。 人はサウナに入ったり、SNSに加工したショート動画を流したりしながら「バーチャルな主体」を癒やしているわけである。自らを溶かしているか