AI特化のベンチャーキャピタル:Conviction Partners

Conviction Partners:AIに特化したVC Conviction PartnersはSara Guoという女性が立ち上げたAIに特化したファンドである。もともとSara Guoは名門VCであるGreylockでGPを務めていたところから独立し、立ち上げている。 初回のファンドながら100MUSD(160億円ほど)を集めてスタートしている。また上記で書いてあるように、AI-Native Companyに投資をするVCファームである。 Conviction is a new venture firm purpose-built to serve AI-Native, "Software 3.0" companies. We believe

テクノロジーとイデオロギーが描く多様な未来

未来を考えるということ VCとして仕事をしていると、職業柄当たり前だがどういう未来が来るのか?という問いは常に考えている。未来に対してどういう変化が今起きている、起きそうなのかについてを切り口に、起業家と対話しながら投資検討を進める。 短期の職業の職務でいうと10年スパンほどの未来においてこの起業家・チームがやりたいと考えていることが時代と一致するかを考えている。それによって会社がEXITすることによりリターンをお返しする仕事だ。ただ、長期的には20-30年先の未来をリードしていく会社を創れるのが本望ではある(と偉そうにいいつつ、どうしてもVCの構造上、起業家に比べて短期視点にもなりがちなのは記載しておく。) つまりはその会社が行おうとしていることや、創ろうとしている未来がどういうものなのか?そしてそのビジョンやミッションが未来に対して耐久性があるのかということを考えなければいけない。 どういう未来のシナリオにBetするのか 以前に自分が書いた、時代を動かす思想はなにか(加速主義か利他主義か)にて、openAIの事件の中で話題になった e/acc(効果的加速主義) vs E

なめらかな起業とその敵 /スタートアップ or スモールビジネス

スタートアップ vs スモビジ 昨今よくX上などではスモビジが・・スタートアップが・・のような話題がよくでている。それを見ながら考えたことについて書いてみたい。そもそもスタートアップとはっていう定義も実は曖昧。急成長を目指すものやJカーブを掘るものだみたいな議論はあるが、自分も過去の#45 ”スタートアップ”とはどの企業を指すのか という記事で、そのあたりの問いについて考えてみたので、もしお時間あれば読んでほしい。 このような議論が活発なのは、この5年ほどで一気にスタートアップという言葉・概念についての民主化が行われており(昔はベンチャーだった気もするが)、起業したり挑戦することが多くなってきたことが影響しているのではないか。その結果その事業がスタートアップなのか、スモールビジネスなのかということについて問われることが多くなってきたのだと理解している。 いわば起業やスタートアップが身近になった結果、すべての起業がスタートアップであるべきだみたいにうつるものに対しての一種の反発・反動のように思える。その中にはVCへの悪評も含めて、VCから調達しなくても良い事業を作れる、スタートアッ

書評:失敗の本質から得るスタートアップ経営への示唆

“日本”に目をむける 最近自分の投稿とかを見ていただくとわかるかもしれないが、日本という国をもう少し現実感をもって理解することが次の大きな企業やチャレンジに繋がるのではないか。ということを考えている。 2010年代はUSが生んだNarrative(Software eating the world的)なものに日本含めて全世界が便乗した。また実際にクラウドであったりスマートフォンであったりという大きな変化があった。それによってのOpportunityが全世界均等に訪れていた。しかしそれも少し陰りが見え始めており、国ごとに改めてNarrativeを考えないといけないような時代がきているような気がしている。(分断を生み出したいわけではない) その中で改めて日本という国を考え直す必要があるということが自分の今の関心領域だ。日本という主語にした途端に少しナショナリスト感というか大きな主語となってしまうが、日本で仕事をしていて日本の企業に基本的には投資をしているので、向き合っていくべき対象である国であることは間違いない。 日本人の精神性みたいなところから何かしらヒントを得ることができないか

ビジネスを育てる 適切な成長率を気にする

Book:ビジネスを育てる いくつか話題になっていることもあり、ざっと読んでみた。VC-backgroundのビジネスの成長の方法ではないが、ポエムのような実践的なような不思議な感覚になる本だった。読み終わったあと自分も事業を創りたくなるような気持ちになれる本で、非常に不思議な感覚をした本だった。 これからなにか自分で始めようという人にとっては一度手に取る価値がある本だと思う。一方すごくなにかが参考になったかというと、もちろん様々な学びはあるが、今回メインで紹介した失敗の本質ほど心には染みなかった。 しかし気軽に読めて、なにか起業家精神が刺激されるようなそんな不思議な本だったため、そのぐらいの気持ちでぜひ読んでほしい。 創業者(マネジャー)の果たすべき最も重要な働きは、自社のビジネスに自然と無理なく内在する成長率を見定めることだ。そしてそれにペースをセットする。 ビジネスを成長させるためには、市場から「あなた(の会社)がビジネスをしていいですよ」という「パーミション(許可)」をもらうのである。起業家は顧客から、「商品を販売してもいいですよ」というパーミションを与えてもらわなけ