起業家がVCを選ぶ判断項目について考えてみた

ANRIというVCで未上場のスタートアップに投資をしている。投資というのは、意思決定をすることこそが最大の仕事。意思決定とは、どの企業に投資をするかを選ぶということ。選ぶ際にはある程度の判断項目を頭に置いて考えるのが共通認識となっており、それを元に起業家はピッチスライドを構築していく。そして投資家はその基準を考えながら議論、判断をし投資をする。 例えばその項目においては、もちろん事業内容や起業家からTAMやMOATや事業計画など様々な項目がある。大体のベンチャーキャピタルというのはその①共通認識と、②ファンドの独自の項目に従って、投資メモを作成しメモをベースに投資の意思決定に進んでいくことが普通だ(例外はもちろんある) 例を上げるとするならば、名門のSequoiaのようなところは下記のようなものはビジネスプラン・ピッチには入れてほしいというのは提示してくれている。他にもピッチやVC investment memoなので検索などいただくと多くのサンプルは落ちているはずだ。 Writing a Business Planarticles.sequoiacap.com 会社の目的:こ

イマーシブコンテンツの流行は何を意味するのか ~オンラインが主の時代における、現実世界の表現の見直し~

結構自分はエンタメが好きなほうではあるが、雑食である。そんな中でもイマーシブなコンテンツというものが最近流行ってきている。わかりやすいニュースとしては、USJやとしまえんなどのエンターテイメントの施設のマーケティングを手掛けてきた会社がビーナスフォートの跡地を活用しイマーシブ・フォート東京というプロジェクトを立ち上げたのが印象深い。 今回はそのようなイマーシブ体験とはどういうもので、なぜいま着目されているかについて考えてみたいと思う。 イマーシブ体験とは何なのか? イマーシブという言葉がよく使われていたのはVRなどのようなデバイスであったように当初は思っている。immersiveは直訳すると、”没入感”である。なので例えばVRはまさにイマーシブな体験であると言えよう。ゴーグルをかぶることによって、その世界に入ることができるからだ。 そのようなイマーシブさというのがどんどん派生していき、その世界に没入したように思えたりするような体験のコンテンツのことをイマーシブコンテンツと呼ぶようになってきているのではないかと思う。例えば前述したイマーシブ・フォート東京の説明文には下記のような

画像生成AIを実際にビジネス利用するためには -LoRA/ControlNet-

Kinkakuという画像生成AIのスタートアップに投資をさせていただいた。Akuma.aiという画像生成サービスを行っているので、ぜひ気になるかた登録して利用をしてみていただければ幸い。プレスリリースは下記の通り。 生成AIスタートアップKinkaku、資金調達を完了し、ゲーム・コンテンツ制作のための画像生成クラウド「Akuma.ai」を正式リリース 実際にはこの動画を見ていただくか、実際につかってもらうのが一番なのだが、Stable diffusion web UIを実際につかうと環境構築のためにインストールしたり、GPUが高いPCでないとなかなか生成ができなかったりする。そういった環境構築など必要なく利用することができるようになっている。またモデルを学習させることができ、そのモデルをベースに画像生成することができるようになっている。 非常に抽象化すると、実務に耐えうるクオリティの画像生成ができる可能性があるサービスを提供していると認識している。まだまだこれからサービス自体も改善していくが、ぜひ利用していただければ幸い。 https://akuma.ai -そもそも現状だ

Cryptoの社会普及はどのように起こるのか~デジタルファッション・アイデンティ表現としてのNFT/SBTの普及~

Crypto winterと言われて長くなってきたが、実際足元の投資はCryptoが絡んだものは多いし、その可能性は信じている。VCという職業柄そういった変化を信じるのが基本的な態度なのでポジショントークでが多いにあるものだけれども。(変化がないと利益が生まれない) しかし現状いまだけを切り取ると、特に日本においては、まだまだCryptoが浸透していっているようにはまだ思うことができないのが現実ではある。通貨的な意味においては発展途上国のほうがリバース・イノベーション的に浸透が早いかもしれない。しかし何個か社会実装されていく・されている分野はあると思う。 -金融資産としてのCrypto どのようにBlockchain・Cryptoが社会に実装されていくのかということが考えていかないといけない問いではある。現状わかっているのはまず金融としてのCryptoはある程度社会実装されてきたことは事実ではないだろうか。まだまだ暗号資産の保有率は低いとはおもうが、暗号”資産”とあるようにアセットの一つとしての地位はだいぶ確立してきているように思える。 ボラティリティはまだまだ激しいものの、

世界のライドシェアの現状から、日本での普及可能性を考える

昨今日本においてライドシェアの議論が今更というべきか良いタイミングというべきか難しいが上がってきている。世界的にライドシェア旋風が巻き起こっていたのは6−8年以上前だったとはおもうが、Uber/Lyftがビジネスモデルを証明し、世界中でライドシェアの産業が立ち上がっていった。CAGR16%の成長が予測され、2028年には、242Bドルの市場規模に広がっていくとも言われている。 しかし規制・ルールの影響もあり、日本においては浸透しなかった。しかしこのタイミングで様々な方から声があがり、改めてライドシェアの機運が高まってきている。その一番の要因はコロナの終息に伴い、外国人観光客・インバウンドの波がかえってきているのは要因としてあると思う。 河野デジタル相 「ライドシェア」導入 本格的議論へ 考え示す 正直まだライドシェア自体が、どうなっていくのかはわからないが、一つだけわかっていることはある。”インバウンドは必ず伸びていく”。観光立国としての日本というのは住んでいる身ながら非常に魅力的であると思うし、しばらくはこのコンテンツの強さというのは変わらない。そのときにライドシェアなのかはわか