男はなぜ孤独死するのか

なんとなくこのあたりにテーマ感というか自分の中で知りたいことがあると思って手にとった本だったが、想定以上に刺さった。”男性のケア”という一つ大きなテーマについてはもう少し言語化またぜひしてみたいとは思っているが、そういったものを考えるのに参考になる本だったと思う。

結論、男の孤独死が増える理由は

①男は対人スキルを学習しないまま大人になる
②男は自立を重んじプライドが高く、人の手を借りるのが苦手
③男は家族や友人よりも仕事、地位、お金を優先する

というものがざっくりとした結論であり、結構自分も全てに当てはまる感じがあり、非常に苦しい思いをした。特に、対人スキルを学習しないまま大人になる。というのは本文を読んだら更に刺さるのだが、その通りだなと思う瞬間が多くある。

努力しないと友達や友情は育むことができないことを忘れて甘えてしまっている自分がいたのではないかと。20代は資本主義にまみれてすごしてきたが、先週に33歳の誕生日を迎えた自分には大分効いた本であった。

ドライブ・マイ・カーなどと合わせて読むと男性学や、男性のケアの重要性みたいなことを考えられるのではないかと思う。自分ももう数冊読んでみたい。

男の子は道具性をもち、活動量が多く、また無駄口をきかず秘密主義的な性格のため、あまり努力をしなくても相手に対応をしてもらえる。男の子が学ぶ教訓は、対人関係における相手の反応は、放っておいても勝手に引き出されるというものだ]。男の子や男性にとって、この教訓は、ある程度真実でもあるが、それには危険もある。人間関係のスキルが低下し、人間関係そのものが希薄になることは、長期的には活力を失った孤独状態になることを意味する。少なくともいくつかのケースでは、この孤独がもたらす結果は、壊滅的で致命的なものとなる。
男たちは、小学3年生の幸せな頃のように、 友人関係は常にわずかな努力で用意されると思い込んでいるようだ。これは現実的な意味で、彼らを甘やかしている。この現象は、男性が優先的に利用できる機会や待遇にめぐまれ、別の意味で甘やかされていることによって助長される。すべての有意義な関係と同様に、友人関係も、築き上げ、維持するためには努力が必要だ。