採用手法における音声と動画の在り方
Podcastなどを自社の採用のためにスタートアップがここ数年で増えてきていると思う。多分数年後にはYouTubeで動画などを作成して流すようなところがもっと出てくると思う。それはTikTokなのかもしれないが。自分もAirpodsがでてくらいから常時接続性に着目してありきたりだけれども、音声のスタートアップに投資をしてきたりしている。PitPaはその1社である。
ではなぜいまそういったオウンドのメディアとして音声や動画により着目が集まっているのかっていうことに関しての考えについてまとめてみようと思う
大採用時代到来:人材の流動性は高くなり、採用はどこも困っている
今後どの会社においても必ず新卒でずっと勤め上げるということは少なくなるのではないかと考えている。もうデータとかは提示する必要がない(探すのがめんどくさい)とおもうけど、VUCAの時代に突入しており一社の栄枯盛衰っていうのはより早いタイムラインで行ってくるのではないかと思う。またこちらは存分にバイアスが入っているとはおもうが、VCに勤めている身としては資金調達額の総量っていうのは今後も減少することはないのではないかということを予想している(ただしVCにリターンが出る限り。数年のファンドの巨大化に耐えうるリターンがでないと2−3年後になにか変化は起きそうな感覚はある)
そうしてVCの資金っていうのが何により使われていくかと言うとい人材により流れていくのではないかと考えている。まあ既知の事実ではあると思うが。Web3の話をここでするつもりはないけれど、どこの広告も獲得単価がずっと上昇していっており、広告にかける費用はもちろん急には減少しないがより広告に頼らない事業の伸ばし方というものが求められているような感覚を現場にいて感じる(その延長でDAOやトークン活用みたいな話がでてきているのではないかと考えている)リタゲなども基本的にはどんどん難しくなっていくはず。そういったときにTokengatedcommerceみたいなのは重要になってくるかもと思うが、それはまた別の話。
ただそれは良い話ではあるとポジショントークながらも信じてはいるが、その一方スタートアップの数も増えている。つまり、急激な人数の増加が必要な数が増えていく中で採用競争というものは今後より更に激化していくのではないかと思う。
採用活動はReachとAttract
採用活動においてのイロハみたいなのは情報がネットにもころがっているし、自分自身採用の現場で働いていないので細かい話は省略するが、結局はリーチがどこまで広げることができるのかと、その後のAttractをどれくらいおこなえることができるかっていう2つの論点が重要なのではないかと考えている。
リーチにおいては事業成長と共に適切な露出を定期的に重ねていくといったPRの視点と、リファラルやエージェント活用によってどれだけ人材プールを貯めていくことができるのかみたいな営業の視点における方法があると思う(PR:YOUTRUSTっていいサービスもあります)
Attractにおいては一概に定義はしずらいが、自社オウンドメディアや経営陣含めたSNSなどは効果があるのではないかと思う。上記のリーチは浅く広くなるべく接点をもっていくみたいなことを考慮していくべきだけれども、このAttractにおいては能動的に転職潜在層はその企業において情報を模索している段階であると思う、もしかしたら転職プロセスを受けているかもしれない。そういったときにはもっと深い情報提供が必要になってくる。そういったときに主題に戻るが音声や動画との相性が良いのではないかと思う。
Attaractには音声や動画は非常に有効なのでは
ここで本題に戻ってくるのだけれど、提案としてPodcastのような音声や動画みたいなのは今後採用においてはもっとコンテンツ量が増えてくるのではないかと考えているし、オススメしたい。ただしリーチではなくAttractとしてという目的で。よほど興味がないと知らない会社のPodcastなんてものは正直聞きたくないとはおもう、残念ながら。シリアルアントレプレナーとか有名であれば別だが。しかし採用候補者・採用ステップにのっている人からするとすごく興味があるコンテンツになってくる。どういった人がどういう思いで働いているのか、社内の雰囲気はどんな感じなのか、代表の人柄はどういう人なのか。そのためにオフィス見学や副業なども一つの手段として活用すべきではあるが、それに加えてこういった音声や動画コンテンツといったものはエンゲージメントを高めていく上では有効に働くのではないかと思う。とあるスタートアップの採用を聞いていると、面接に来る人はほとんどがPodcast聞いてますっていうようになっているそうだ。
すべてがD2C的な世界になっていくことは間違いなく、そういたときに自社として採用という企業にとって一番重要というべきものに対して投下していくお金や時間の総量は伸びていくはずで、それは必ずしもエージェントやそういったものにお金を増していくことが正しいわけではなく、ReachとAttractや分けて予算を考えて、どうしたら会社としての思想がうまくつたわるのかっていうことは今後より企業にとっては重要なものになってくるのではないかと思う
ただし音声や動画はAttentionを目指すのは個人的にはどう扱うか難しいなとおもうところがある。Attentionを目指すということはPVが多くなるものを目指すということになる。そのKPIを設定しだすと、Twitterなどもそうだが大胆な発言や尖ったコンテンツみたいなもののほう(ざっくりいうと炎上リスクがあるもの)を優先する引力が働いてしまう。それを否定はしないが、自分の好みでいうと好きではない。あくまで音声や動画の目的としてはEngagementを目指すべきであり、再生数はまわらないけれども、視聴完了率が高い。そういったコンテンツづくりを目指していくべきなのではないかなと個人的には思う。KPIの設定の仕方で目指すべき引力が違うことはどの活動でも同じくいえるが気をつけたほうがいいなとあくまで個人的には思う
-実例10Xの社員インタビューに音声あるのいいなと思う
今後はTikTokやYouTubeが使われてくるようになると思っている
昔はテキストのオウンドメディア、そして今回提唱したのは主に音声のオウンドメディア。しかしあと5年後ぐらいすると、さらにTikTokやYouTubeのような動画オウンドメディアというものを企業は持つようになるのではないかと思う(更にもう少し未来を考えると、オウンドメタバースメディアをもつようになる気もしている)
実際にTikTokのような短尺メディアと採用みたいなのは実は音声とかそういったものより相性良いのではとおもっている節がある。音声ほど長く効かなくてもいいし、YouTubeほどつくりすぎなくてもいい。実際にUSのスタートアップ系のTikTokをいくつかフォローしているが、面白いし聞きやすい。
自分という媒体を一つのメディアとして捉えるとき、いまはこういったブログなどで投資先を紹介したり、Podcastはたまに更新したりしているが本気でTikTokとかの運用を考えてもいいのかもしれないと最近は思っている。しかしWeb2の人間なのか・ミレニアム世代の人間だからなのか・ニコニコ動画で育った世代だからか、まだ顔出し含めて全力で動画に向きあうというのは何かしらひっかかってしまうところがあるのは正直なところ。ただこういったものをより活用していく未来は間違いなくくると考えている
Tweet