Shunsuke Nakaji

金利がある時代のスタートアップとVCはどう変化するのか

ZIRPの時代 ZIRPという言葉をご存知だろうか。Zero Interest Phenomenon(ゼロ金利現象)/Zero Interest Policy(ゼロ金利政策)という言葉で、自分も経済雑誌を読んでいるときに見て、なんだそれはと目に止まって調べてみた。 ZIRPは「zero interest rate phenomenon(ゼロ金利現象)」の略語で、長年、手厚い福利厚生、高給、安定の代名詞だったテック業界の激変を表す言葉として最近、頻繁に登場している。 (大手テック社員に広がる新用語「ZIRP」とは? 高給、手厚い福利厚生…満ち足りていた業界を雇用不安が襲う) 日本だとそこまでのこの言葉自体の広がっているかというとそうでもない気がしているが、先に金利が上がったアメリカだと、

多元的未来を創るとはどういうことなのか

多元的未来を体感する特別講座 Pluralityという言葉を聞いたことはあるだろうか。多元主義などの言葉に翻訳などはされるようなものだ。X上でたまに見かけていたこの概念について興味はあったし、少し調べたこともあった。薄く興味はあったが、なかなか深惚れるタイミングがなかったが今回たまたまXを見ていたらWiredがイベントで、多元的未来を体感する特別講座:WIRED UNIVERSITY × Miraikaというのが流れてきて、ちょうどその時間あいているからぜひ聞きたいとおもい申し込んでみた。今回はその参加レポートのような記事となる。 今回の参加はモデレーターのWiredの松島 倫明さんをはじめとして、アメリカの経済学者のGlen wely・台湾のデジタル大臣である Audrey Tang、なめらかな社会とその敵の作者でありスマートニュースの代表取締役会長である鈴木健さん、日本科学未来館の小沢さんと豪華メンバーであったことも参加をしたくなったきっかけである。 テクノロジーラバー・自発的なコーポレーション・反権威主義 非常に面白いディスカッションであったし、そこに参加していた大学生や

アンメット

話題作を一気見。 医療ドラマでもあり、ミステリーでもあり人間ドラマでもある。普通に面白かった。 ドラマというよりはドキュメンタリー的であり、引き込まれる映像の取り方・演出だったような気がしている。ネタバレになるからあんまり書けないけど、設定がそれをさらにおもしろくしている感じはある。とにかく演技うまぁ・・ってなるドラマ。 ドラマはまあそうなんだけど、毎回引きが最後にあって次も見たくなる仕組みづくりがうまい。昔のドラマってここまで引きをつくってたっけな・・?エンタメが飽和しているからこそ、そういう脚本を大事にしているのかもしれない。 こういうドラマを見ながら、逆にいまは映画よりドラマ・アニメのほうが少し見やすい時代なのかもしれない。なかなか生活でエンタメがあふれる中で、2時間-3時間という時間を固定して見るのは難しさがある。それがドラマだとCMないと40分ぐらい、アニメだと20分ぐらいなので、そこで止めて違うことしてもいいし、そのまま見続けてもいい。 ショートドラマなどは足元投資テーマとしてもあるが、ショートすぎてファストになりすぎず、映画ほど長くないみたいなコンテンツの時間は

書評:文体の舵をとれ

Books:文体の舵をとれ ふとXを眺めているときに好きな書店か出版社か忘れたけど、そのアカウントが宣伝してて、タイトルと表紙に惹かれ購入。別に小説を書いたことはないが、このように文章を書くことは多い仕事なので、そのなにかの参考になればと思ったからだ。 かといって、こういうメルマガを書きながら自分の文章はうまいわけではない、どちらかというと話すほうが好きなタイプではある。ではPodcastのほうがいいではないか?というのはあるのだけど、察してほしいそんな友達いないのである。まあそれはおいといて。。 テクニックもあるが、どちらかというと創作意欲を駆り立ててくれるような一冊であった。なにかを表現したいひと、それは文章に限らずだが一読する価値はあるように感じた。 創作でなくとも例えばエクイティストーリーというように、いまの仕事においてもプロットを考えることは多い。社内で投資委員会を通すために投資候補先のストーリーや説明を文章にすることは毎月行っている。 そのときにどういう表現をすれば伝わりやすいのだろうか、どうストーリーを組もうかっていうのは試行錯誤しているので、そういう意味におい

最近の興味ある投資領域についての雑記 / 日本流グローバル

投資の仕事と考えること 自分の仕事としてはいろいろこうやって文章を書いてはいるが、投資をするのが仕事で別にこの書いていることは仕事ではない。いや厳密にいえば仕事の一つではあるが、センターピンがあるわけではない。大体土日や、夜とかに書いていることが多いのでまあ趣味や享楽さに近いものである。 ということで自分の本職としては良い起業家を見つけて、投資をし、支援をする。もうそれだけではある。(もちろんファンドレイズなどその他も多くあるが省略)それ以外の活動は書いたりイベントでたり、飲み会に行ったりなどは、すべては良い起業家を見つけて、投資判断をし、支援をして、入れたお金よりも多くのお金をリターンとしてお戻しするためのものである この文章ももちろん自分の知りたいことや、考えていることの言語化の一助として書いてきており、どこかで投資方針に対しての自分の思考整理のためや、投資テーマ発見のためにやっているものでもある。 Subscribed VCが投資仮説を持つ意味 VCとして仕事をはじめたときぐらいから、毎年なるべく注目投資領域ということを書いてきた。この仕事を続ける限りはなんとなく年始