Shunsuke Nakaji

暇と退屈のプライズゲーム ~なぜ人はUFOキャッチャー/トレカ/1番くじが好きなのか~

エンタメ領域におけるトレンド 自分もエンタメ分野については興味分野としてみているし、投資もしていく中でいくつかトレンドがあり、それが交差してきているように感じる。例えば下記のようなトレンドなどである。投資をするにあたってもこのあたりの現象が起きる背景を考えていた。 ・コレクティブ商品への熱量(スニーカー/トレカ/NFT etc..) ・オンライントレカガチャ/オンラインUFOキャッチャーの流行 ・アニメ/IPの流行・躍進におけるグッズの重要性 ・オフライン回帰>イマーシブ体験 > これはこちらの記事で書いた GENDAの躍進 そのようなことを考えていたときに、昨年GENDAという会社が上場を果たした。ご存知の方も多いとおもうので詳細の説明を省くが、GiGOというゲームセンター事業を中心にしながらM&A中心の戦略で成長しているエンタメ企業である。最近だとGAGAなどを買収しており注目の新規上場企業の1つではあるのは間違いない。 その資料を読むときにプライズゲームという言葉とともに、ここ数年のプライズゲームの成長とその成長に対しての仮説の資料を拝見したことが刺激となり、点と

失われた30年で何を日本は得たのか

自分は1991年生まれなのだけれども、いわゆる失われた20年・30年の日本しか見ていない。そもそも自分にとっては”失っていない”のかもしれないのだが。。いわゆるJapan as No.1のような時代感や空気感ということは味わったことがない、どちらかというと教科書上の話である。 物心ついたころには、不景気だとかそういった話を多く聞いていた。バブルの頃の日本のご機嫌を知らないので、基本的にはいろんなマイナス方向のニュースしか経済においては聞いてない。 世界時価総額ランキングの変化 よく引用される下記グラフのように平成3年に自分は生まれたがその前の平成元年には世界の時価総額ランキングにおいては上位が日本勢が占めていた。しかし、それから30年経ったときには、ほとんど見る影もなく消えてしまっている。 (引用:https://dw.diamond.ne.jp/articles/-/24295) 今回の記事でなぜこうなったのかということを深掘りするつもりはないが、基本的にはIT含めた変化についていけなかった結果、GAFAM中心に上位の時価総額が入れ替わった結果となっている。

Requests for Startups 2024

毎年1月にその年にどういう投資領域が注目されるのだろうかということを書いているのだけれども、それもマンネリ化してきたなと思うと同時にふわっと領域っぽく書いても、あんまりおもしろくないなと思いました。 なので、今年は実験的に2024年はこういう領域の会社/こういう問いをもって取り組む会社に投資をしたいっていうテーマで書いてみます。タイトルからわかるように、Ycomのオマージュです。 なので、自分が投資をもうしているトレンドなどは省いたりしているかつ、2024年中は、投資したい領域が増えたら、記事のアップデートしていく感じの運用にしてみようかなと思ったり、思わなかったり。(しなかったらすみません) ただ実際に投資に至る場合は自分の机上の空論を超えてくる企業だったりするので、全然あくまでこういうところに興味あるんだぐらいのエンタメとして読んでいただければ幸いです。 減速すべき分野への投資:政府や補助金と上手く付き合って産業を立ち上げられないか 今の世の中は①加速していく/加速をせざるない領域と、②減速していかないといけない領域があると思う。(個人的には) 例えばテクノロジー全般は正

M-1というシステムは資本の力学に対抗できうるかもしれない

年末恒例のM-1グランプリ。今年も面白かった。一晩で人生が変わるよねって話をしながら、もちろん積み上げてきたものがあるからの栄光ではあるのだけれども、面白いシステムだなと思った。なかなか一晩でいろんなアテンションが集まるのっていうのはなかなかない。オリンピックの個人競技とかなどは近いのかもしれないが。。 M-1の注目度は上がってきた? 一時期のM-1はあんまり見ていなかったけど(休止していたのもあったとはおもうが)、最近また盛り上がりを見せていると思う。それはYouTuberなどのメディアシフトにおいて2010-2017年ほどはテレビ離れもあったとは思うが、逆に霜降りなど含めてYouTuberやメディアをうまくつかいこなしていく芸人が増え、SNSが浸透した結果リアルタイムに感想を共有できあえるこういった賞レースとの相性も良くなっていった結果ではないかと思う。 M-1というシステムはアテンションを加速させ、社会の老朽化を防ぐかもしれない このM-1を見ながら、このシステムは社会の老朽化を防ぐ可能性があるかもしれないなと思えた。一晩にして実力があると思われる、若手(年齢的な意味

2050年の世界 見えない未来の考え方

https://amzn.to/46FPzao VCという仕事を今流行っている限り未来に対して投資をしていくことが一般的である。どういった未来を創造したいのか、どういった未来がくると考えているのかについて常に問われるし、考える仕事ではあると思っている。 そのためこういった本はとりあえず手が伸びてしまう。もちろんこういう予想本系がどのぐらい精緻化というと判断に難しい場合も多いが、この本は突拍子もないことを書いているわけではなく信頼ができる。なのでおもしろ本ではない、マクロデータと現実的に起こりうる未来について書かれている。 こういった本を読む際に思うのが日本というテーマにおいてはあまり扱われないことだ。あまり日本の未来についてそこまで世界が真剣に考えてない、考える意味がないと思われている可能性が高い。 今回の本においても日本においては、後ろ向きな豊かな国。ということが徹底として書かれている。移民の問題についてはこの本の一つのテーマだが、日本においては移民はほとんど受け入れられていない。その上出生率も下がってきているので、基本的には高齢者が多い沈みゆく国家であるという印象で書かれて