2022年の注目領域

メルマガで2022年1月ほどに書いた今年の注目領域のコピーです。起業や新規事業などを考えている方の何かしらヒントになれば幸いです

・事業がより複線化していき上場までの時間はより長くなる

まず事業を複線化していく動きが、ファンドサイズの巨大化と共に増えていくかなと。未上場の期間はさらに長くなり長期的な仕込みをより行うスタートアップがより上場規模を大きくできるオプションが増えているので更に数が多くなってくるかなと。いままでは単一事業・プロダクトというのがイコール会社のようなイメージが強い気もするが、今後は上場までに1つの事業だけで上場することは少なくなっていくのではないだろうか。それに伴い未上場のM&Aなどの選択肢はより増えてくる気がしているそうしたなかでこの文脈においてすべての企業はFintech化するということを予言したa16zはそのとおりだなと思う。事業複線化していくにおいて、決済などをとれることは強い。特にB向けの企業は事業を複線化させていきながら金融業をおこなっていくことになっていくのではないのだろうか。お金がお金を生むビジネスというものはインターネットというチャネルと相性が良すぎる。

・Composable SaaS:ヘッドレス系・ヘッドオンリーなど、ノーコードあたりがSIer(基幹システム)とSaaSの間を繋ぐ一つのトレンドになり得るのでは

ノーコード、ローコードが基幹システムとSaaSの隙間を埋めるものとしてより注目されていくのかなと。HorizontalなSaaSなどで一般化されて解決することができる課題っていうのはだいぶ解決され続けてきたのではないかと思う。昔Noteにも書いたけど、基幹システムで拾いきれていなかった周辺からSaaSが普及していったのかなと。そのSaaSもHorizontalからVerticalとかになっていき、だいぶスペース自体は少なくなってきたのではないかなと思ったり(それでもまだまだVerticalなどはスペースあるとは思う)  そのときに基幹システムをリプレイスしていくようなモデルというのはあるとはおもうんだけど、一律のニーズで拾いきれないニーズやここの会社のWorkflowとSaaSというものが相性が良くない可能性もあるのかなと。もしくはそこで広いきるには細かいニーズみたいなのをどう対応していくのかっていうのはあるかなと。その課題において実はNotionみたいなのが中小企業にとってのDXの要になっていくっていうのはあり得る話かなと考えている。2022年はSaaS全般はもちろん伸びていくが、そこで拾いきれないところをDXしていくようなノーコード・ローコードでInternal Softwareを構築していくことができるものにより注目が集まっていくのではないのだろうか。海外でいうとRetoolみたいなの調達しているが、このあたりはより投資分野としても今年考えたい

・Valuechain全体を同じソフトウェアで行う(会社をまたぐ)ようなサービスがより増えてくる

2020年の雑記にも同じようなことを下記の様に書いているのだけれども、SaaSが自社内で使われるものから、その後に商流までサービスを広げていくような登り方は今後多く更に出てくるのではないかと思う。これは事業が複線化していくという1つめのテーマにも絡む話だが、今後のSaaS企業として同じ分野でM&Aしてサービスを拡充していくか、このようにバリューチェーンを拡大していくという選択肢をとる企業も増えていくのではないのだろうか。最初の事業の複線化においても書いたがこのValuechainまで及ぶことによって商流の決済やファクタリングなど含めて企業がFintechカンパニーになっていくきっかけにもなるのではないのだろうあk

ただHorizontal SaaSは結構浸透はしてきており、いまの時点では業界を絞った課題などに着目したVertical SaaSへと動いているが、今後2020年以降はサプライチェーンをまるごと支える以降はクラウドシステム、会社をまたいで使われるようなクラウドシステムなどがもっと出現してくるのではないかと思う。どうよべばいいかわからないがValue chain SaaSのようなモデルは今後も注目していきたい。企業の表面上に出てくる課題でなく、根幹の課題に挑戦するスタートアップが増えてくるのではないか


・デジタル上の自己表現によりお金が集まるようになっていくー>デジタルアイデンティティの構築

インターネットへの滞在時間が伸びていく中(メタバース化してく中)でデジタル上でアイデンティティをどう表現いくのかというのによりお金が動くのではないかと考えている。それをNFTなのかCreatoreconomyなのかcollectibilitesなのか様々な表現方法で試されるのではないかなと。NFTが1番わかりやすいが、Walletにひも付き自分が所有しているものを人を家に呼ばなくても見せることができるようになる。そして人はもっと前述したようにインターネットでの滞在時間が長くなるので、そういったものに対してのお金がより寄っていくのではないかと思う。アバターなどもその一種だと捉えている。去年はMetaとFacebookが社名を変えたりなどメタバースという言葉がバズワードの1つとなっていたけれども今年はどうなるのだろうか、ちょうどこれを書いている今日にPSVR2が発表されたり、年末にかけてQuest2が発売されたりしてきている。ただこれもメタバース化していくのは時間の問題だと思う。今年1年で劇的に変わるわけではないかもしれないが、今後5年間のなかでゆっくりと着実によりユーザーはインターネット空間に滞在する時間が長くなり、鍵を握るのはゲームとハードウェアの普及だと思っている。

・DAOという組織形態が特に新興国などにおいてより一層社会実装されていく

今年後半にかけて日本でも盛り上がりを見せたWeb3.0の文脈は来年より注目を浴びそうだとおもう。まだまだガバナンスの面などで課題を感じるところもあるが、この1−2年の試行錯誤の中で洗練されていくはず。そして特に新興国などの働き方においてDAOというところからもらえる報酬で十分に生活できるようなところではより一層浸透していくと思う(exフィリピンでのNFT保有率が30%を超える中日本はまだ2%ほど)いくつかDiscord入ってみてはいるが、なかなか時間やよほどフルタイムに近い形で関わらないと今の所難しそう。だが今後の組織の働き方として、OSSに近い考え方かつ報酬・そしてそのモチベーションが更に報酬をあげていくような仕組みになっているので、DAOという形の社会実装が進む1年になるのではないのだろうか。すべての組織がDAO化していくわけではないとはおもうが、向いている組織形態・組織目標においては株式会社ではなくDAOという組織に代替されていくのではないのだろうか蛇足だけれどもWeb3.0やDAOは非常に哲学的に面白い試みをいま行っているのではないかとおもってこのトレンドをもう少し政治学的・哲学的に今年は捉え直されるはずで、そのあたりの論文を今後もしあるとしたらぜひ読んでみたい。下記は最近読んだけど、すごくWeb3.0への示唆も多かった、ニックランドと新反動主義より。

超人は、我欲をもって、巨大な組織(国家) に抵抗する意志を示す存在である。ニーチェは超人のもつ「創造力としての自由」を擁護するために、人間を凡庸なものへとおとしめる国家装置を批判した(ニックランドと新反動主義) ヤーヴィンの思想とは大雑把に言えば、さしずめティールの「自由と民主主義はもはや両立しない」というテーゼを、「自由にとって民主主義は悪である」と読み替え、かつそれを徹底的あるいは愚直なまでに推し進めようとする(ニックランドと新反動主義)


・DAOの運営を効率化・改善化するサービスに注目がより集まる

もう全部Discordでええやんっていう話はあるものの、DAOでの運営が進めば進むほどVotingの仕組みやトレジャリーの管理などの課題などは多くできていくのではないか。問いつつ今でも、オンチェーン上での投票が可能なSnapshotを始めとして、Parcel,Coinshift,boardroom,Tallyなどなどいろいろ今でもでてきてはいる。またDAOのフレームワークであるAragon,Openlaw,Colony,Molochなどなども多く存在してきている。しかし今はガバナンスの仕組みや分散運用と中央集権における意思決定のバランスをうまくとっていくことが今後求めれるようになるのではないかと個人的には考えており、もちろんガバナンストークンで運営側に寄せるなど方法は今でもあるとはおもうが、よりそういったDAOで運営していく上での課題に対しての解決策としてのサービスはより注目が集まっていくのではないかと思う(分散型の思想ど真ん中でなくてすみません)

・Web2.5のような性格を帯びたサービスは日本でもよりでてくる

Tokenを発行することが現実的に今の日本だと難しい。しかし下記で自分もまとめたがWeb3.0の香りがするような、OwnershipとParticipationを事業に活かすような動きはより一層今年は進んでいくのではないかと考えている。例えば特定のNFTをもっていないと入れないDiscordをつくりマーケティングのハックになったりとかなど。単に企業がすべてを主導していくわけではなく、個人が参加し一緒に価値を作り上げそれをわけあうような動き方はより一層進むのではないか。これは元をたどればD2Cにおけるコミュニティに近い概念だと思う。あまりにも有名な話だけどもGlossierがSlackで新商品についてユーザーと語りながら商品改良していく姿などはWeb2.5的だと個人的には思ったりする。去年はやったClubhouseとか、TwitterのSpaceなどがWeb3.0の企業とも相性が良いのでわかりやすいかと。日本においてもそのようなOwnershipとParticipationを上手く活用したサービスや、マーケティングなどがより生まれてくるのではないのだろうか

・BCGの中でAxieを超えるようなゲーム体験ができるものが世界中で流行るようになる

BCGはボストンコンサルティンググループではなく、ブロックチェーンゲームの略なんだが(はじめてみたときは何だこれ?ってなった)去年はAxieのヒットがNFTSummerの一つのきっかけにもなったと思う。こうした草コインにちかいような投機性があるもの×ゲームと日本という市場は非常に相性が良いと思う。できれば日本初のBCGがいいが(Kyuzanは投資先でEGGRYPTO頑張ってます)どこかのBCGはよりマスに広がっていく気がしているし、それがWalletの開設のニーズにもつながってくるので、ゲームによってこの領域の参加者を広げていくことになっていくのではないのだろうか。歴史を振り返ってみても新しいテクノロジーの導入は大体ゲームからだ。そういったエンタメ性からはいってなれていき本当のそのテクノロジーの便益を得ることができる。そういった意味においてもBCGのヒットというのがWeb3.0を推し進めていく上でも非常に重要な1ピースなのではないのだろうか。昨年でいうとWolf gameなど面白い試みだった気がする。まだまだ流動性の安定化や、ステーキング以外でどう滞在してもらうかなど課題は山積みではあるが、引き続きウォッチしていきたい分野ではある

・GPT3の技術がもう少し社会実装され、ユースケースを見出される

昨年に注目を浴びたGPT3だけれども、もう少しこの2022年にはもう少し汎用性よりは特定のSaaSなどのサービスに当て込みされていき、より社会実装が進んでいくのではないか。もしかすると新規サービスというよりは、Embbeded AIのようにGmailやSlackなどに浸透していくのかもしれないが、文脈から言語を自動生成することによって、人の作業時間はより短くていいように済むのではないのだろうか。例えば営業メールの作成とかそういった同じ様な反復作業だが、少しパーソナライズが必要みたいな作業においてはすごく相性が良い気がしている。日本語でどこまでできるかはまだわからないが、こういったGANっぽい技術分野についてはよりこの数年で社会実装は進んでいくのではないかと考えている。
ここからは書くには弱い各論編ですが、このあたりの領域は自分としても注目している

Solana は一つテーマになりうる:Layer1の技術としては注目度が高い。海外ではSolanaベースの企業が多くでてきている 例:Squads,Phantom
NFT×X(音楽など):Soundxyzであったり、RoyalであったりとNFTの価値の担保とそれに伴う権利の売買っていうのはもっと多くのユースケースや解き方がでてくるのではないかと思う
Enterprization of Consumerの深化:このSubstackもそうだけども、よりmediaが分散化されていき、個人の企業化というのはまだまだ続く。そのなかでもP2Cのような動きや、ソーシャルトークンなどの発行などなど個人の企業化というものは不可逆な流れに思えるし、より一層深化する1年になるのでは
GAN技術・Deepfakeの有効活用:引き続きこのあたりは悪用が多い箇所であるので、有効活用できるものを探している
スマートシティ・Govtech文脈:人不足やデジタル庁の発足に伴い、こういった公共分野へのIT導入が進んでいくことが求められる。
既存事業のWeb3.0リプレイス:既存でもう解かれている課題に対して、Web3.0化していくことでその参加者にもTokenなどを発行することで、リプレイスをかけていく流れっていうのはあるのかなと思っている。単純にただリプレイスしていいくのかはまだわからないですが、相性がよい事業とかはあるのだろうと思います。例:Mirror,Braintrust
ギグワークとして副業の普及:今後もより短期資金ニーズっていうのはまだまだ伸び続けていくと思っている
Token Economistみたいな職種ができるのでは:現状のWeb3.0は初手から上場より大変な課題に当たるので、そのTokenの設計であったりっていうのをアドバイスする職種や会社っていうのはあるのではないかと思っている
音声・動画の時代:テキストから音声・動画への自己表現のシフトは今後も続いてく気がする。これはずっと言ってるが・・w その上ですべてが適応化今後もしていく